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僕らは悩む 迷う 何度も自分に問いかける 子どもも同じ

SEAMOの歌う“不景気なんてぶっとばせ!!”が、世界最大のレースINDY500を頂点とし、唯一アジアで開催される「INDY JAPAN」(9/19にツインリンクもてぎで開催)の ラジオプログラム「INDY JAPAN RADIO」のテーマソングになったようだ。

☆SEAMOといえば、最近“MY ANSWER”にはまっている。

今、出来なくても 焦らないで 慌てないで
君のマイペースで 自分信じて ゆっくり行けばいい

この世は一筋縄では いかない それは何故なら
神様が作った テストだから難しいんだ
文系?理系?むしろ道徳 君ならこれをどう解く?
これは まるで人生 だから打ち込む真剣に

僕らは悩む 迷う 何度も自分に問いかける
1つじゃない 答え探し がむしゃらに追いかける

・・・・・・・

☆SEAMOの歌が、ツインリンクもてぎのイベントのラジオプログラムのテーマソングになったというのも何やら縁を感じるし・・・。

☆このMY ANSWERの歌詞の世界がいい。この世界は、「大人の世界(現実態)―子どもの世界(可能態)の近接領域であるOriginal Angle between Potentiality and Actuality(OAPA)」のことだと思う。そしてここで子どもは「悩む 迷う 何度も自分に問いかける。1つじゃない 答え探し がむしゃらに追いかける」のだ。

☆この1つじゃない答えを探して、がむしゃらに追いかける姿こそ、子どもたちが自分にとって根源的な問いを構築(Building of Questions:BOQ)すること。

☆OAPAとかBOPとは、自然と社会と精神のはざまに立っている人間の存在の故郷である。ツインリンクもてぎは、この3つを体験できる空間があった。そこで人間の存在の故郷を映し出すのがプログラムだった。

☆ともあれ、1999年の冬、ツインリンクもてぎで、Honda「発見・体験学習」のプログラム作りが始まったが、そのとき子どもたちのOAPA領域を見出し、そこで子どもたちがBOPを生み出すサポートすることが大事なゴールだった。

☆MY ANSWERの表現している世界こそ、そのOAPAとBOP。もちろん、当時はSEAMOはいなかったわけだから、コンセプトイメージを村上春樹や谷川俊太郎の言葉に見出していた。

☆今春だったか、エルサレムで村上春樹の壁にぶつかっていく卵になるスピーチを聞いた時、このプログラムを仲間とともに同じ思いでデザインしたのを思い出した。そしてMY ANSWERを聴いた時も、あっ、ここにも同じ世界があるなと感じたわけだ。

1999年の実験をまとめたレポート「21世紀を拓く最先端学習プログラム」の第1章は、「子どもは、無数の示唆に充ちている世界を開く才能を持っている」から始まっているが、この表現には村上春樹の世界を重ねたつもり。

☆そして、学びのプログラムを象徴する詩として谷川俊太郎の「子どもと本」を紹介している。この詩に出会ったとき、身体が震えた。身体の中で無数の示唆に充ちている世界が音をたてて開いた。その世界そのものを言葉で表現している。

子どもよ

物語の細道をひとりでたどるがいい

画かれた山々を眼で登りつめ

洞穴の奥の竜の叫びに耳をすますがいい

☆「洞穴の奥の竜の叫びに耳をすま」せる世界こそ存在の故郷。そこに「ひとりでたどるがいい」となんて温かい眼差しがあるのだろう。見放すのではない。ひとりでたどる子どもをいざとなったら全力で守るからという信頼がそこにはある。

☆子どもと大人の世界のはざまにあるこの全幅の信頼領域。そしてこの領域を守る眼差し。この眼差しとして学習アドバイザー(LA)を育てようというのも、学びのプログラムのもう1つの目標だった。

子どもよ

意味の森で迷子になるがいい

修辞の花々に飾られた小屋に逃げ込み

魔女に姿を変えた母親に出会うがいい

☆大人になっても子どもの世界を守る母親。ただし、それには魔女でなければならない。論理ではなく創造の泉の象徴でなければ・・・。ツインリンクもてぎの里山に意味の森をイメージしてもよいけれど、それよりも魔女に姿を変えた母親こそLAの姿そのものなのである。

空よ 海よ 君も同じように悩んでるのかい?
風よ 太陽 君も人知れず泣いているのかい?
恐れる事はないよ 失敗 その次が勝負 We Fight!!
傷だらけの答案が 生きた証 そうなんだ
恥をかいても 消さないで 使わないでケシゴム
むしろ1つ1つの思いをねじ込む

☆存在の故郷をケシゴムで消さないで!!それをサポートするLAは、今どこにいるのだろう・・・。

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