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四谷大塚合判予備テスト②のデータから[03]

四谷大塚合判予備テスト②のデータから[02]のつづき。

☆来春2月2日の男子の受験校56校のうち、昨年対比100%以上の学校は22校で、39.3%占めている。すべての学校が隔年現象というわけではない。来春の中学入試は学校にとっては厳しいと構えた方がよい。

☆一方、中学受験生は、偏差値に惑わされずに、自分のアイデンティティ・クオリティに適した学校を選んだほうがよいし、そういう選び方をしたら、来春は合格する可能性がかなり高くなるはずだ。

☆さて、2月2日の男子の受験校で昨年対比100%以上の私立学校をいくつか列挙する。

栄光・聖光・渋谷教育幕張2・慶應湘南藤沢・攻玉社2・青山・城北2・高輪B・東京都市大付2・明大中野・国学院久我山2・日大第一2・広尾(特進選抜3)・かえつ有明(難関)・帝京大2・順天2・青稜2A・明治学院・東京農大第一2・山手学院B・工学院大附2・・・

☆渋谷教育幕張、攻玉社、高輪、東京都市大付、国学院久我山、日大第一、広尾、かえつ有明は、このシリーズ[01]にも登場していた。

☆大学進学実績が堅調だからか、教育の質がよいからか、その両方なのか、あるいは教育イノベーションの斬新さなのか、いろいろ理由はあるだろうが、良し悪しは別として、チェンジが広く伝わっている学校ではある。

☆栄光については、偏差値がたとえ55前後でも、受ける努力の価値ある学校である。記述力と学際的な勉強が有効。知識は基礎の基礎だし。

☆併願校は、合格するための受験校と未来のために複眼思考を身につけるための受験校を合わせるとよい。偏差値だけで併願戦略をすすめる塾もあるかもしれないが、戦略はあくまで受験生と保護者の最終的な覚悟に拠るのがよい。

☆複眼思考を身につけるための受験校に向けてがんばれば、結果的に偏差値があがる可能性もある・・・。

☆合否に関係なく、複眼思考を身につけることができる入試を実施している学校を受けるとすると、それはどこの学校か?たとえば、次のような学校。

麻布、栄光、武蔵、海城、慶應グループ・筑駒、灘、ラサール、獨協、桜蔭、雙葉、立教女学院、湘南白百合、聖園女学院、桐朋女子、鴎友学園女子、共立女子、佼成学園女子のPISA型入試、かえつ有明・・・

☆これらの学校の問題は、記述式だとか選択式だとかというフィルターだけで見ると、問題の質がわからない。問いの視点そのものが複眼的かどうかということだ。

☆たいていの入試問題は模擬テスト型。だから偏差値で合否の可能性が読める。上記の学校は模擬テスト型ではないから、学び方によっては複眼思考を身につけかつ合格もできるのだが。ただし、灘は別格・・・。それに、アイデンティティ・クオリティが拠って立つところではあるが・・・。子どものセルフ・アイデンティティ・クオリティとスクール・アイデンティティ・クオリティが共振できることが最も重要。

☆偏差値に苦しめられる私立学校は多い。模擬テスト会と常に攻防戦。しかし、模擬テスト型ではない入試を制作すれば、偏差値では読めなくなるのだが・・・。

☆ただ、そうなると塾の指導がたいへんになり、受験生の市場を塾が独占しているから、批判され、なかなかシフトできない。

☆未来の子どもの知性を考えれば、小学校3年から6年生の時代を模擬テスト型受験脳漬けにするのは、もしかしたら問題かもしれない。そんなことを塾側で考えているのは日能研。しかし、そのようなユートピア受験体制は、なりふり構わない他塾との攻防戦では分が悪い。それにそのユートピアを実現できる講師の質の持続可能性のための研修問題もある。

☆理想と現実。理想より現実に的を絞って進む方が楽なのだ。しかし、少子高齢化社会あるいはクリエイティブ資本主義社会の到来では、その現実が変わる。理想と現実のバランスを考える慧眼の持ち主チームの塾が待望される。もしかしたら、あらゆる塾から夢のために脱出し、集まって立ち上がった「学明舎」はその1つかもしれない。

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