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2009年9月

佐藤可士和さんと成城中

☆「劇的クリエイティブ講座」(イースト・プレス2009年9月)のページを開いたら、いきなり佐藤可士和さんの話から始まった。

☆そして佐藤可士和さんが、なぜ美術大学に進んだかについて語っていた。

高校生活が僕はつまらなかったんですね。部活も1年で辞めて、2年になっても、男子校だったんですが、友達と帰りに原宿とかに行って、かわいい女の子いないかなとか、もうそんなようなことをダラダラやってました。すごくつまらなかったわけではないんだけど、すごく面白かったこともあんまりない。そういう空虚な高校生活を送ってたんです。

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本当に社会は激変しているのかと問う私学

☆政権交代した。たしかに表面的には激変だ。しかし、優勝劣敗型市場と平等支援型市場の2極点をいったりきたりしており、その点において近代の矛盾は乗り越えられていない。

☆もともと≪私学の系譜≫は、そのダブルバインドをどのように乗り超えられるかという夢と理想がある。

☆表面的には激変かもしれないが、人間の生き様という点において根源的問題は、明治維新以降変わっていないのだ。その問題に意識の古層で迷い、悩む生徒たち、大人たち。

☆ここにチャレンジしているのが私学の教育。本来の正当性・信頼性、そしていまここでの妥当性を貫く教育活動以外に進むべき道はない。

☆言葉は違うが、説明会でそう語っているクオリティスクールがたくさんある。どうか受験生と保護者の心に、その古層で闘っている私学の声が届きますように。

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かえつ有明の見識

☆トリニティ教育研究所フェローの鈴木裕之氏が「かえつサイエンス科論」の第2弾≪新しい学習プログラムの試み 2 -かえつ有明中高「サイエンス科」その2≫を書いている。

☆その中に、山田先生の語りを紹介している部分がある。

「アメリカでは、大リーグに代表されるように、個性や才能を重視する社会に見えるが、実はその前段階ではきっちりと型にはめている。コーチに従わないと強く叱られる、指導者へのリスペクトを要求される社会なのだ」と。

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≪公私協力プロジェクト≫ 新局面ひらく

☆「10月24日、中村学園で、公立中高一貫校である両国と白鴎、私立の安田学園と会場校中村が合同説明会≪公私協力プロジェクト「4校合同説明会」≫が開催される」については、≪今秋 神奈川と東京の新しい合同説明会 私学の存在理由を問いかける≫という本ブログ記事で紹介した。

☆この≪公私協力プロジェクト≫の中心人物である中村中の教頭梅沢先生からこんなメールをいただいた。

江東区小学校PTA連合会がこの企画に賛成し協力をしてくださることになったのです。当然区教委にも依頼し了解を得て、江東区内の全小学生にご案内ができるようになったのです(とは言え4~6年生としました)。こんな事が起こるのですね。まさに創立百周年に相応しい出来事と大変喜んでいます。これは、中村と地域のコミュニティーが新たな扉を開けた瞬間ですね。

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四谷大塚合判予備テスト②のデータから[了]補足 2月4日女子受験校

四谷大塚合判予備テスト②のデータから[了]補足 2月4日男子受験校のつづき。

☆来春2月4日女子受験校で、昨年対比100%以上の学校は、次の通り。

豊島岡3・鎌倉女学院2・共立女子C・田園調布学園3・カリタス女子2・恵泉女学園3・日大藤沢2・八雲学園3・広尾(特進選抜5)・公文国際・青稜3

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四谷大塚合判予備テスト②のデータから[了]補足 2月4日男子受験校

四谷大塚合判予備テスト②のデータから[了]のつづき。

☆来春2月4日入試は、あまりにも流動的で不確実すぎるが、3回目の入試校で気になる学校があると思うので、昨年対比100%以上の学校を列挙しておきたい。まずは男子受験校。

聖光学院2・市川2・昭和秀英3・東京都市大付3・日大藤沢2・広尾(特進選抜5)・公文国際・渋谷教育渋谷3・逗子開成3・鎌倉学園3・桐蔭(中等)3・国学院久我山3・春日部共栄3・桐蔭3・関東学院六浦C

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四谷大塚合判予備テスト②のデータから[了]

四谷大塚合判予備テスト②のデータから[05]のつづき。

☆来春2月3日の女子の受験校57校の47.4%を占める27校が昨年対比100%以上。

☆かなり流動的だとは思うが、まず27校のうち国公立を並べてみると、

小石川(一般)・武蔵高附属・九段(B/都内)・白鴎高附属(一般)

☆女子は、迫り来る社会の変化のリスクマネジメントとして私立学校を選んでいる可能性がある。

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四谷大塚合判予備テスト②のデータから[05]

四谷大塚合判予備テスト②のデータから[04]のつづき。

☆来春2月3日、男子が受験する学校46校のうち43.5%の20校が、昨年対比100%以上。

☆2月3日といえば、国公立の中学入試。

筑波大附・武蔵高附属・両国高附属・桜修館・九段(B・都内)・東京大附・白鴎高附属

☆は100%以上。不景気の影響で国公立だから殺到するという気配は、今のところはないが、この予備テストは7月に行われたものだから、今後の動向は見守らねばならない。

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公立と私立のキャリア教育観の差異

☆RECRUITの発刊している「クラス担任のためのCareer Guidance8月号」の中に、キャリア教育実践例が8校分掲載されている。

☆そのうち3校は私立学校で、青森の私立弘前学院聖愛高校、八雲学園、麻布学園のケースが載っている。

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四谷大塚合判予備テスト②のデータから[04]

四谷大塚合判予備テスト②のデータから[03]のつづき。

☆来春2月2日の女子の受験校75校のうち、昨年対比100%以上の学校は40校で、53.3%。今春はサンデーショックの年だから、来春は入試日がだいたい通常に戻るので、こんなところなのだろう。

☆来春の中学受験生は、やはりガンと増えないかもしれない。景気問題や政権交代の影響があるのだろうか。様子を見なければわからないが、民主党によって景気の早期回復を期待したいし、民主党の教育改革は、実は私立学校にも追い風になる可能性はある。

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四谷大塚合判予備テスト②のデータから[03]

四谷大塚合判予備テスト②のデータから[02]のつづき。

☆来春2月2日の男子の受験校56校のうち、昨年対比100%以上の学校は22校で、39.3%占めている。すべての学校が隔年現象というわけではない。来春の中学入試は学校にとっては厳しいと構えた方がよい。

☆一方、中学受験生は、偏差値に惑わされずに、自分のアイデンティティ・クオリティに適した学校を選んだほうがよいし、そういう選び方をしたら、来春は合格する可能性がかなり高くなるはずだ。

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四谷大塚合判予備テスト②のデータから[02]

四谷大塚合判予備テスト②のデータから[01]のつづき。

☆2月1日女子の受験校113校のうち、志望者数昨年対比100%を超えた学校は、34校。増加した学校は30.1%。もちろん、昨年は2月1日が日曜日で、プロテスタント校の多くが入試日を変更するという、いわゆるサンデーショックの年だったから、単純に昨年対比を出しても意味がない。

☆しかし、それにしても中学受験生がガンと伸びるというイメージはない。今回の予備テストで、2月1日午前入試を志望している生徒は、5,935人。昨年は7,908人で、昨年対比75.1%。2月2日はどうかというと、今回は5,493人。昨年は4,645人で、昨年対比118%。

☆ガンと伸びる気配は感じられない・・・・・・。

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四谷大塚合判予備テスト②のデータから[01]

☆森上教育研究所発行の「中学受験と私学中等教育9月号」には、四谷大塚合判予備テストのデータが掲載されている。その中に志望者の昨年対比のデータがある。

☆このデータによると、2月1日男子が受験する学校で、100%を超えているのは83校中37校で、44.6%。2月1日の男子の受験校の予備テストの受験者総数も昨年に比べ若干減。これだけではわからないが、他の入試日も同じような感じなので、来春の中学受験者がガンと増える兆候はないと考えるのが自然か。

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受験列島の新型インフルエンザ対策は?

厚生労働省は9日、都道府県からのインフルエンザによる集団感染の報告が、8月31日~9月6日の1週間で2318件あったと発表した。前週(1402件)の1.7倍に達し、大半が新型インフルエンザとみられる。(毎日新聞090909

☆1月から3月は、日本は受験列島になる。そのとき新型インフルエンザの猛威はどうなっているのか心配である。そんなことを思っていた時、森上教育研究所発行の「中学受験と私学中等教育9月号」トップページの「難関1回入試校は救済入試を―迫り来る新型インフルエンザで1回しか入試のない難関校が受験できないリスクが高まっている」という記事が、目に入った。

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受験市場とドラゴン桜

☆受験市場なるものが、明治維新以来の優勝劣敗思想ベースの近代官僚国家システムが必然的に生み出したのかどうかはわからないが、見える部分では、塾という担い手が市場を運営していることは確かだ。

☆この受験市場の性格をうまく表現している文学(だと思う^^)が「ドラゴン桜」だろう。偏差値なんてぶっとばせ、受験テクニックとそれを伝授する講師をそろえればなんとかなるという確信は、私学教育市場そのものからは生まれてこない。

☆しかもここには、学歴主義や能力主義(メリトクラシー)を覆そうという挑戦的な戦略を遂行しながら、東大に入らなければ、おまえら一生負け組だぞと恫喝している桜木健二の存在がある。

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P.S.佼成学園女子のPISA型入試に学ぶ

☆前回、佼成学園女子のPISA型入試は、学校の顔であり、教師力の見える化が果たされているという旨を書いた。

☆また、このPISA型入試こそ、OECD/PISAのコンセプトに基づきながらも、それを超えた広がりを有しているとも。

☆そして、本日7日の「創立記念式典」に参加して、さらに確信したことがある。

P9070015 関連記事)「佼成学園(男子・女子)創立記念式典」開催

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佼成学園女子のPISA型入試に学ぶ

☆私学市場や受験市場では、「入試問題は学校の顔」という表現が人口に膾炙されている。入試問題はその学校の教育の質を最も見える化している表現態であると言い換えることもできるだろう。

☆しかも、入試問題は、一人の教師がつくるわけではない。学内でチームが結成され、議論・編集の過程を通して作られる。そして採点も教師が一丸となって行うわけだ。採点後、許容や一問一答の正答率の結果について振り返りも行われる。

☆だから、本当のことを言えば、入試問題こそ教師の力が表れるのである。

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共立女子から授業が変わる

☆何かと鳩山家の人々の話題が尽きない、今回の政権交代劇。その中で、鳩山家を支える妻たちの話は興味深い。その妻の中に、春子と薫がいる。春子は鳩山一郎の母であり、薫は一郎の妻である。

☆そして何より二人は歴代の共立女子の理事長だ。鳩山一郎の意志を継いだ由紀夫が掲げる「友愛革命」。EUの父クーデンホーフ・カレルギーの思想でもあり、フランス革命の「自由・平等・博愛」のキーワードにも通じる。

☆「友愛革命」とは、ハーバーマスやルーマン、ガーフィンケルといった社会学者から見れば、コミュニケーション革命である。簡単にいえば官尊民卑的な抑圧的なコミュニケーションをぶっ壊し、公平で論理的で創造的なコミュニケーションへの転回である。

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伸びる学校[060] かえつ有明の成長つづく

☆トリニティ教育研究所フェローの鈴木裕之氏が≪新しい学習プログラムの試み 1 -かえつ有明中高「サイエンス科」≫という記事を連載し始めた。

かえつ有明の「サイエンス科」といえば、国語と理科を論理的に統合し、その論理を体験と結びつけて、思考力と想像力を養う画期的な教育イノベーション。

☆世の中が脱ゆとりと叫び、新学習指導要領でどの教科にも、言葉力を強化するプログラムを作りたいという方向が見え始めたときには、すでにかえつオリジナルの「サイエンス科」という学際的なプログラムが始動していた。そしてそれが新生かえつ有明の飛躍の大きな力になった。

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8月アクセスの多い記事ランキング30

☆先月8月のアクセス数の多い記事ベスト30。本ブログには855の記事が掲載されている。ブログの特徴は何といってもロングテール。

☆月単位でランキングを見ていくと、当然8月中に掲載した記事のアクセス数が多くなるが、そんな中で半年前の記事が読まれていたりする。

☆このブログのトップページに直接飛んでくるケースが多いが、検索してアクセスする場合も多い。そういう意味で、どこの学校、どういう種類の記事に興味が持たれているかが少しわかるかもしれない。

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政権交代の意味 「経済人」と「私学人」に期待がかかる

☆8月30日の衆院選の結果は、国民の欲求通り、政権交代となった。オバマ大統領の「チェンジ」は、バタフライ効果で日本にまで届いた・・・。

☆そういうわけではないだろうが、地球規模で個人の発言や自己決定が影響を与える時代であることは確かなようだ。もちろん、だからといって明治以来の官尊民卑体制・官僚近代国家が変わるというわけでもない。

☆しかし、国家単位ではなく、人間単位で政治経済の流れができるということは、生きるとは何かを多くの人と互いに議論しながら生きる意匠を凝らしていけるチャンスがたくさん生まれることである。

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