佐藤可士和さんと成城中
☆「劇的クリエイティブ講座」(イースト・プレス2009年9月)のページを開いたら、いきなり佐藤可士和さんの話から始まった。
☆そして佐藤可士和さんが、なぜ美術大学に進んだかについて語っていた。
高校生活が僕はつまらなかったんですね。部活も1年で辞めて、2年になっても、男子校だったんですが、友達と帰りに原宿とかに行って、かわいい女の子いないかなとか、もうそんなようなことをダラダラやってました。すごくつまらなかったわけではないんだけど、すごく面白かったこともあんまりない。そういう空虚な高校生活を送ってたんです。
☆佐藤さんが通っていた高校というのが、成城中高。進学実績もよいし、わりとのびのびと学園生活が送れる学校で、人気もある。だから成城の学校の雰囲気がつまらないということではないということはきちんと認識しておきたい。
☆ただ、ここで興味深いのは、佐藤さんのように、能力ではなく才能に興味があるということをもしも学校選択の段階で知っていたら、能力中心の学校ではなく、才能重視の学校を選んでいたらよいのではないかなということである。しかし、そんなことは可能なのか・・・。
☆佐藤さんはこう続ける。
それで3年になる時、受験のために「文系か理系か選びなさい」と言われて、はじめてそこで真剣に考えて「どっちも行きたくない」って思ったんです。リアリティが全然持てなくて。で、どうしようと思ったときに、「あ、美術系がある」と思ったんですね。
☆そこで予備校に通って、石膏像をデッサンして、はまったということのようだが、これはもう学校の問題ではなく、佐藤さん自身の問題だ。それから二浪して多摩美に進学し、今ではツタヤやユニクロのような誰もが知っているロゴやトータルなデザインディレクションをして活躍されているわけである。
☆実に学校選択とは難しい。はじめから佐藤さんが、自分で能力より才能を重視したいなどまず認識できないだろうし、認識していたらどんな子どもなんだということになろう。それに親というものは才能のようなイチカバチカ賭けてみようなどという人生観など持ちえないのが普通なのだ。
☆こつこつ勉強して能力社会の中で勝ち組になってほしい。そのために大枚はたいて良質の教育環境を買おうというのが一般的なのだ。
☆でも、能力社会で生きることを選ぶのか、才能世界で生きることを選ぶのか、そんなことを考える時間を持てる、あるいは環境がある学校を選ぶことはできる。佐藤さんにとって、果たして成城はそういう学校だったのではないだろうか。
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