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大宮エリーさんと桐蔭

☆「劇的クリエイティブ講座」(イースト・プレス2009年9月)の中に、作家であり脚本家であり、映画監督であり、要するに人間デザイナー大宮エリーさんが登場している。

☆さすがは作家。自分の人生を脚本化している。少しでき過ぎているかなとも思うが、痛快まるかじりのトーク。

☆母校桐蔭では、「大きくなったら地球を救いたい」と世界系の漫画ノリでエッセイを書いて、進学校の同級生にあきれられていたという。

☆地球の砂漠化のビデオをみて、いよいよ地球を救おう。緑化するには植物の研究をせねばと思っていたら、病気で倒れた父親を見て、地球より人間を救おうと決意。薬学部に進路先を決めた。

☆ところが数学が全然できない。猛烈進学指導の桐蔭の教師が、文系にいくことをずっとすすめていたが、あきらめない。

☆そこで先生は、東大の数学は難し過ぎて差がつかないから、数学0点でも他の教科でなんとかなると、東大をすすめたそうだ。それで東大。でも薬学は結局ウマが合わず、電通へ就職。

☆そこから今の人生が始まると。

☆いずれにしても、数学をカバーするぐらい国語と英語ができたのだろうから、今の人生の強烈なエネルギーがすでに育っていたということか。

☆おもしろいのは、桐蔭という学校である。徹底した進学指導をしているのだと改めて感じるが、それ以上に才能教育も徹底しているはず。能力主義と才能主義が両立しているのか併存しているだけなのかシステムはわからないが、能力主義も突き抜けると、才能を生かせる領域を逆に見つけられるのだというパラドクスがあるのが興味深い。

☆だから才能教育も突き抜けると能力主義社会でも勝ち組になってしまうという逆説めいたことがおこるのだろう。

☆プロセスも大事ではあるが、行きつく結果が見えているプロセスではダメだということだろうか。予想をくつがえす結果を出すプロセスこそ大事なのだ。

☆一芸にひいでる。すると何にでも通用する。大宮エリーさんもそういう人なのかも。

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