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併願の仕方とクオリティスクール[02]

併願の仕方とクオリティスクール[01]のつづき。男子の併願校の傾向から気づいたこと。

☆海城という学校は、エクセレントスクールとしてのクオリティスクールである。しかし、併願校の傾向からいって、エリートスクールの影響を受けてしまっている。

☆1月中の併願校は市川や東邦大東邦が多い。もっとも麻布のように仮に渋谷幕張が多くなったにしても、暗記型受験勉強で対応できてしまう併願校なので、受験勉強の型から言えば、1月中はやむを得ない。

☆しかし、2月2日の併願校はどうだろう。巣鴨、城北、本郷の順になっている。本郷は前校長の高橋先生と現校長の北原先生の両校長のビジョンがエクセレントスクールだから、海城―本郷のラインは矛盾しないが、巣鴨、城北はエリートスクールである。

☆そういう意味で、海城もエリートスクールのグループに入るというイメージがまだまだ強いのかもしれない。

☆ただし、3日の併願校は、海城2、暁星、筑駒の順であるから、エクセレントスクールのイメージを持っている受験生もいる。いずれにしても海城レベルの探求型受験勉強をしていれば、巣鴨や城北にも有効だから、勉強そのものの心配はないのだが、学びの価値観に対する影響は少なからずあるだろう。

☆開成は、埼玉から通いやすいということもあり、栄東の東大選抜との併願も目立つ。1月中に開成レベルの受験生が受ける学校が埼玉には他にないという考え方もあるのかもしれない。

☆その流れで、2月2日の開成の併願校として巣鴨を選択するというケースも多い。しかし、栄光、聖光が圧倒している。また3日も筑駒、海城、早稲田という順になっていて、エクセレントスクールとしてのクオリティスクールの影響力が大きい。

☆ただ伊豆山校長の時代から、開成内部で探求型の学びや倫理観の喪失に警鐘を鳴らしている教師もいて、受験市場の影響をどのように回避するか論議はされている。この点に関しては栄光学園も同様ではあるが、同窓力の良き影響が、今のところは本格的な問題が生まれるのを阻止しているだろう。リスクマネジメントの一環として議論されているだけだろう。

☆武蔵の併願校を見て驚くのは、地政学的影響を最も受けていて、武蔵自身が勉強から学びへというスタンスであるにもかかわらず、その価値観の重要性に気づいていない層がわりと多くなっている可能性がある。

☆受験市場の影響を回避することはいかにして可能か。それが武蔵の現状の最大の課題ではないか。

☆中央大附属、明大明治、法政大、早稲田実業、早大学院は、もののみごとに、MARCHの附属が併願校。地政学的に慶應中等部以外、慶應は併願になっていない。

☆青山と立教は、慶應普通部と中等部の併願が目立つ。今後青山は多摩エリアではなく神奈川エリアに進出するから、SFCとの併願も増えるだろう。

☆そういう意味では、MARCHクラスの大学附属中学は、MARCHの大学のビジョンそのものや研究の質の活性化いかんに左右される。ある特殊なブランドを保守するだけになるということか。サバイブの1つのスタイルとしては確固たるものがあるとは思う。

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