併願の仕方とクオリティスクール[08]
併願の仕方とクオリティスクール[07]のつづき。女子の併願校の傾向から気づいたことについて。データは、四谷大塚入試情報センターの第2回合不合判定テストの資料から。
☆品川女子学院の典型的な併願ラインは、
「市川―神奈川学園B―品川女子学院2―実践女子学園3―品川女子学院3」。
☆八雲学園の場合は、
「土佐塾(東京)あるいは東海大浦安A―実践女子学園2あるいは洗足学園2―田園学園調布2―実践学園女子3あるいは田園学園女子3―八雲学園4」(「あるいは」というのは件数が同じことを意味する)
☆洗足学園の場合は、
「土佐塾(東京)―洗足学園2―田園調布学園2―田園調布学園3―洗足学園3」
☆ダウンロードできる四谷大塚のデータには、2月1日の実践女子学園と田園調布学園の併願データが公表されていない。
☆しかし、こうしてみると、品川女子学院、八雲学園、洗足学園、実践学園女子、田園調布学園は、学校選択者にとって、ある意味共通のクオリティアイデンティティを感じる学校グループだということだろう。
☆ここに神奈川エリアの神奈川学園もつながるのかもしれない。
☆たしかに英語教育や芸術活動を重視ししているという点で共通している。教育空間も独特で、空間の教育的刺激があることも共通している。もちろんどういう刺激を与えるかという点では差異があるが。
☆ただし、おもしろいことに、教育理念の特徴的な差異で2つのグループに分けられるが、併願ラインもその差異に応じている。
☆その差異とは、品川女子学院、実践学園女子、神奈川学園は、市場の量的競争の中でサバイバルを志向する傾向がある。洗足学園、田園調布学園、八雲学園は市場の質的競争の中でサバイバルを志向する傾向がある。
☆本来神奈川学園は、市場の質的競争の中でサバイバルを志向する学校だったが、最近では現実化路線も非常に重視している。それは理念の変更ではなく、時代の流れを読みながら戦略的に舵をとっているからである。
☆理念を実現する方法は、撤退・無視という選択、妥協・調整という選択、不易流行として脱構築する選択、変えることなく意志を貫き通す選択などがある。
☆私立学校がこの社会の激変時期にどの選択をするのかは、チェックしておく必要はあるだろう。
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