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併願の仕方とクオリティスクール[了]

併願の仕方とクオリティスクール[09]のつづき。女子の併願校の傾向から気づいたことについて。データは、四谷大塚入試情報センターの第2回合不合判定テストの資料から。

☆フェリス女学院の典型的な併願ラインは、

「浦和明の星―鎌倉女学院―横浜共立B―鎌倉女学院2―頌栄女子学院2」

☆横浜雙葉の場合は、

「浦和明の星あるいは佐久長聖(東京)―慶應湘南藤沢―横浜共立Bあるいは清泉2―鎌倉女学院2―洗足学園3」

☆横浜共立は、

「土佐塾(東京)―鎌倉女学院―横浜共立B―鎌倉女学院2―洗足学園3」

☆神奈川エリアの女子校の選択は、フェリス女学院、横浜雙葉、横浜共立、鎌倉女学院の間をぐるぐる回っている感じがする。

☆教育理念も貫き通しているスタイルだが、教育イノベーションを生み出しているわけではないから、私学教育市場と受験市場の葛藤が生まれない。かつては鎌倉女学院が教育イノベーションを生み出し、他の3校に追いついたが、それ以上ではなく、勢力地図は安定してしまった。

☆洗足学園はこの4校とそもそも競い合う気はないだろう。もっとグローバルだし、ダイナミックだ。神奈川エリアにあるけれども、保護者の意識も東京や世界を志向しているだろう。

☆21世紀は女性の時代である。オバマ大統領も来日演説の中で、女性がマインドで活躍できる時代にしたいと語っている。それを強力にサポートする女子教育への意志をこの4校がいだくミッションは今のところ具体的に発信してはいない。

☆生徒個々人が抱くことであり、抱いたら応援はするよという控えめの教育だろう。生徒が優秀で豊かな心をもともと持っているから、学校はそれでよいのかもしれない。

☆しかし、キリスト教の精神をベースにしたり、田辺先生の理念をベースにしているのだから、時代の精神に大いに応える必要があるのではないのか。塾市場を無視するにしても戦略的に活用するにしても、配慮していることは確かであり、それも必要だが、配慮しなければならない世界はもっと他にあると思うとクオリティの高い学校グループであるがゆえに極めて残念である。

☆個人的にではあるが、横浜女学院、聖園女学院、洗足学園に大いに期待しているのは、そういう世界性を持っているが故である。

☆神奈川エリアの歴史的政治的意義から考えると、私立学校が日本の教育を変える姿勢を見せることはたいへん意義があるのだが、そういう私立学校は男子校や共学校の中にもいくつか存在している。しかし、その姿勢を見えないようにしているなんらかのシステムが働いていることも否めない。上記4校は、そのシステムに対しクリティカルシンキングで挑んでいない。戦略的に活用しているのだろうけれど・・・。

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