私学市場の意義
☆10月はハロウィーン、11月は感謝祭、12月はクリスマス。オバマ政権の支持率低下の中、アメリカ経済の市場の活性化につながるかどうかはわからないが、商品の生産と消費と移動が大量に起こるイベント。
☆しかし、もともとは、それぞれ感謝の気持ちをささやかに家族や地域などで祝いながら、莫大な利益を目標とせず、相互扶助的市場を形成して生きたのが市場(いちば)であるということが分かる瞬間でもある。
☆日本でも織田信長時代に、市の文化的、精神的絆と倫理的な独立経済基盤を生みだす進取の気性に富んだ近江商人が活躍した。
☆ヨーロッパでも、ちょうど今スイスのベルンで玉ねぎ市が開催され、市をあげて盛り上がっている。玉ねぎのリースは言うまでもなく、色とりどりのトラムが走っているのだろうか。
☆トラムと言えば、ストラスブール。クリスマスを祝うイルミネーションや市はこれからであるが、グーテンベルグの広場や世界遺産のカテドラルはもうすぐ活況を帯びるだろう。
☆世界中が同時不況で困窮しているとき、世界同時市場(いちば)が生まれるわけだが、相互扶助的で公共的で、感謝の気持ちで商品をお金を分かち合う市場(いちば)のもともとの形成スタイルは、中学入試の私学市場にどことなく似ている。
☆市場であるから、放っておくと、いろいろな悪だくみをするグループがでてくる。それをコントロールできるかは、市場主催側の倫理観の問題である。
☆この倫理観はときに権力になり、市場(いちば)開催の権利をめぐる覇権闘争が、いつの世も絶えない。
☆しかし、大事なことはコントロールやマネジメントの方法や成果を、参加者が見ることができるし、実感をもてるし、手ごたえを感じることができるということだ。
☆これが昨今の金融市場とは大きく違うところである。
☆私学市場は、主催者は私立学校である。そこを受験生は間違えてはならない。私立学校は基本的にはNPO的な組織である。大きな利潤を得る組織とは違う。だから、私学市場は私立学校によって、健全に保たれる。
☆しかし、この市場も金融資本主義市場やクリエイティブ資本主義市場の影響をもろに受ける。だから、世の中のことは関係がないということは教育においてもあり得ないのである。
☆私学市場を保守することは、私学人の勇気ある高尚なる生涯を尊敬することで絆を強める参加者を維持することである。
☆私立中学受験を選択するということは、この勇気ある高尚なる生涯をおくった私学人を支え、自らもそうなることを決断するということでもある。
☆そんな目で近江の山に立って、安土城跡を一望してみよう。織田信長やヴォーリズの気持ちがわかる。同じように、スイスやアルザスを旅行した時に混み合った(注意をしながら)市を訪れてみよう。都市単位でつくりあげる市場(いちばとしての市場)がいかに倫理的市場であったかがわかるし、都市デザインと市民の普遍的精神に共通性を見出すことになる。
☆この都市デザインと市民の普遍的精神こそ、啓蒙思想やプロテスタンティズム(もちろん宗教改革やフランス革命を影で支えたカトリック修道士たちを忘れてはならない)が作り上げたシステムであり、このシステムこそ織田信長や秀吉、家康が継承し、明治維新以降私学人が後世の遺物としてのこしたもである。
☆実際にここで紹介した都市は、私立学校設立に直接間接関係している。
☆ヴォーリズ、フレデリック・オベリン(アルザス)は実際に私立学校設立に大いにかかわっているし、アメリカのイベントは、多くの私立学校が立ち会っている。
☆ベルンといえば、パウル・クレー。パリの友人カンデンスキーとファシズムに対し精神的闘争をした芸術家。バウハウスはまさに≪私学の系譜≫ではないだろうか。もちろん、権力との関係で紆余曲折があるところも含めて。
☆それにアメリカの精神やフランスの精神は、ルソーの精神にも通じている。ルソーの精神を引き継いでいる私立学校もある。
☆≪私学の系譜≫の世界性と歴史性。「~性」とつけると、過去と現在だけではなく、未来にも通じることが付加されるが、この世界性と歴史性のない教育は、教育とはいえない。私学市場の意義について考える時季がやってきた。
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