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中村学園 創立百周年

☆本日7日、私学会館で、中村学園創立百周年の記念式典・祝賀会が開催された。同学園の伝統教育の1つに、フルート演奏の教育がある。全員が管楽器を演奏できるようになる。

Photo ☆そのためか、記念式典の演奏は、外部から演奏家を呼ぶ必要がない。記念式典では、吹奏学部が、祝賀会では、OGがフルート演奏で雰囲気を盛り上げた。

☆100周年のためだけに演奏を披露しようとすると、たいへんな騒ぎになっていただろうが、ある意味いつものことなのだと思う。伝統が文化資本になっているというのは、こういうことかと合点がいった。

☆そして改めて感じ入ったのは、創設者の精神とその気概である。

☆小林理事長校長は、挨拶の中で、創設者中村清蔵の生き様とその精神を語り、2世紀目に入る中村学園の覚悟と決意を表明した。

☆明治のころ、清蔵は、商人に学問はいらぬと親から言われたが、学問への情熱はますます燃えるばかりで、隠れるように学んだという。そして安田財閥の創設者安田善治やその盟友浅野総一郎、日本の近代ビジネスの父である渋沢栄一としのぎを削る切磋琢磨をし、財をなし、同時に日本の近代産業のために協力しあった。

☆興味深いのは彼らはそれぞれ私学を設立している。特に中村清蔵の場合、当時の女子には教育はいらぬという風潮に義憤ともいうべき気概をもって、女子校を設立したのだという。

☆その思いは、学問を愛し、技術を鍛え、思想を練った気概のある女性の輩出こそ、日本の未来の近代を形作るのだということだったようだ。なんと女性の時代と呼ばれる21世紀世紀はクリエイティブ・クラスの時代でもあり、才能・技術・寛容の三拍子が揃っていなければならないと言われているが、いかに中村清蔵が慧眼の持ち主であったかがわかる。

☆それは時代の大きな変わり目を生き抜こうとうする人間の頭脳には、いつも大きな普遍的なアイデアが宿ることを意味し、だからこそ時代を超えて激動の今日にも通じる思想でもあるのだ。100年を迎え、中村学園はこの思想を継承する覚悟を決めたということだろう。

☆それにしても三巻にもなる100年誌なのだが、これでもなお書ききれない膨大な歴史の背景が横たわっていたことだろう。そして未来の伝統はこれからも書き綴られることだろう。

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