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一日一言 新渡戸稲造【027】

一日一言 新渡戸稲造【026】のつづき。

☆12月28日 意志が人を変える

・・・・・・自分にまごころがある者は欠点をあらためるように努力するものである。

☆道徳的メッセージではある。しかし、認知的ポイントがちゃんとある。1つはまごこころとは?もう1つはあらためるということは?という点である。

☆まごこころとは、寛容性や決断力や公平性などの基準(Criteria)のことであろう。そしてその基準に照合して欠点を見出し、ズレている場合には軌道修正する。これが「欠点をあらためる」という行為である。つまり振り返り。

☆このセンテンスが道徳的なメッセージの側面しか聞こえてこないのは、努力という言葉にある。基準に従順になるようにがんばれと言われているように感じてしまうからだ。

☆認知的メッセージがあるとするならば、振り返りのときに、基準そのものが信頼性や正当性があったか批判的に検討することも重要だという指摘が必要だろう。

☆しかし、新渡戸稲造にはそれは当たり前だったから、ここではあえてそこまで確認する必要はなかったのだ。当たり前とはどういうことか?新渡戸稲造の確信している基準はクエーカー派のキリスト教精神。

☆新渡戸稲造にとって、キリスト教であればどこの派でもよかったわけではない。どこかおかしいという思いを持ち続け、最終的にクエーカー派との出会いがあったのである。

☆キリスト教精神の基準自体、日本の文化に導入するのは難しい。にもかかわらずそれを果たし、なおかつキリスト教の精神をさらに批判的に検討していったわけである。

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