私学市場の意義[11]
私学市場の意義[10]のつづき。
☆東京エリアの私立中高一貫校の集結は世界でも類のないシステムであると前回述べた。しかし、同時に来春の中学受験からは、この長引く世界同時不況の影響をもろに受けることは避けられない。
☆どのようにこの影響を回避したり克服できるのか。教育の質をあげることであるというわけだが、経済力的には実に小規模で、その質の向上のプロセスを表現することは、大企業のようなわけにいかない。どうしても口コミだよりである。
☆口コミレベルだと、結局はいくつかの私立学校の話題が注目されるだけで、東京エリアの私立中高一貫校全体の評価があがるには時間がかかるというか、そういう目を消費者が持つことはほぼ不可能だ。
☆どうしてもビッグバン的なインパクトが私学市場には必要だ。それは私立中高一貫校の中から生み出すことは難しい。もちろんゆるやかな理念共同態として、独自のメディアを有する方法があるが、これはコストがかかる。
☆ある自治体のようにわずかな時間のデモンストレーション用のビデオ制作費に5億円もかけるというような芸当はできまい。
☆ではどうするか?
☆私立中高一貫校は、偏差値に関係なくMARCHレベルの大学には進学させる力を有している。ところが、いつのころからか、早慶上智レベルとMARCHレベルには格差がついてしまった。
☆MARCHレベルの大学がどうもガラパゴス的で、柔軟性に欠け、20世紀型キャリアデザインで満足しているのが本当のところで、私立中高一貫校がどんなに教育イノベーションを果たしても、そこから先が盛り上がらない。
☆だから、結局東大・早慶上智クラスの大学進学実績のランキングが、マスコミうけするで終わってしまうのだ。
☆MARCHレベルの大学が本気を出せば、世界ランキングでもそれなりの評価を受けられるリソースは持っていると思うのだが・・・。
☆そこで、私立中高一貫校の教育の質の正当な評価を得るには、自助努力だけではなく、MARCHレベルの大学の大革新が必要ではないか。
☆果たして、そんな大革新が起こり得るのか?それはある。たとえば、立命館大学が東京エリアにガンと乗り込んでくるとか、立命館大学の附属校が東京エリアに誕生するとか。
☆これによって、MARCHレベルの大学が本気を出す以外にない。このレベルの大学が世界ランキングでも評価されるようになれば、それは私学市場を活性化するだけではなく、日本の未来も明るくする。その契機をつくった立命館大学となれば、その影響は日本全体にも及ぶ。
☆そうなるには認可の問題などいろいろ難しいのだろうけれど、私学市場として、まだまだやるべきことは一杯あるというわけだ。知識基盤社会にあって、私立中高一貫校と私立大学の私学市場は大いにキーであることだけは確かだろう。
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