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2010年中学入試動向~11月合判から[了]

2010年中学入試動向~11月合判から[06]のつづき。

☆今回は、2月3日受験校のうち、志望者数100人以上の女子選択校をみてみよう。2月2日に豊島岡女子を志望していた723人が半減している。2月2日慶應湘南藤沢を志望している受験生が慶應中等部を受験したとしても、それですべては埋まらないから、当然2月2日豊島岡女子志望者の中に慶應中等部志望者はいるだろう。

☆しかし、それだと慶應中等部の志望者はもっと多くならなくてはならない。ということは2月3日は少し拡散したということか・・・。拡散したとしたらそれはよいことではないか。女子私学市場において偏在は望ましくない。多様性こそが重要。

田園調布学園2 400
慶応中等部 365
豊島岡女子2 359
大妻3 354
三輪田2 334
品川女子学院2 325
東京女学館2 303
日本女子大附2 299
横浜共立B 284
富士見3 248
東洋英和女学院B 238
学習院女子B 217
日大第二2 189
成城学園2 185
筑波大附 181
お茶の水女子大附 181
晃華学園2 160
明大中野八王子2 154
法政大学2 142
明大明治2 137
玉川聖学院2 132
小石川(公立中高一貫校) 129
清泉女学院2 126
学大世田谷 115
捜真女学校B 114

☆こうしてみると、田園調布学園の役割は大きい。たとえば、2月2日にもう一度入試を実施して、御三家→豊島岡の流れを拡散することができるのは今のところ同学園しかないのではないだろうか。鴎友学園女子はすでにその役割を果たしているから、協働できるのではないだろうか。

☆また玉川聖学院の役割も大きい。教育の質は確かに定評はあるが、もう少し戦略的インパクトを考案してもよいのではないか。もしも同学院が進学実績も出せば、世田谷区及びその隣接エリアの女子校に相当良き影響を与えるだろう。

☆田園調布学園とは質の競争となり、この地域の私学市場熱は高くなるだろう。もっとも玉川聖学院は、そういう戦略志向性はないから、そういう展開は考えていないだろう。もったいない。

☆となると、やはり期待がかかるのは八雲学園である。教育の質とおもてなしのコミュニケーションで生徒獲得戦略を立てて成功を収めてきた。あとは徐々に伸びている大学進学実績を飛躍させることだ。田園調布との質的競争は、東京エリアの女子校にインパクトを与えるだろう。隣接地帯での質の競争のインパクト。来春以降私学市場が活性化する戦略だと思うがいかに。

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