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2010年中学入試動向~11月合判から[03]

2010年中学入試動向~11月合判から[02]のつづき。

☆今回は2月3日受験校のうち、気になる男子選択校の前年対比をみてみよう。ただし、3日校の選択志向性となると、以下の点が複合的に関係しているので、読みにくい。

①併願校ではあるが、3日に初めての入試日を設定している学校は、第一志望の生徒も多いだろう。

②3日目には実施倍率は名目倍率よりかなり下がるので、併願人気校としての傾向のほうが、学校の教育の質よりも優先している可能性がある。

③隔年現象はもちろんある。

④長引く不況と今後の不透明感の影響は無視できない。

⑤併願回数自体が減少している可能性がある。

国学院久我山ST2  335.1
相模原(公立中高一貫) 263.6
九段(B都内・公立中高一貫) 196.3
白鴎(公立中高一貫) 138.1
広尾特選選抜4 122.8
専修大松戸3 115.4
慶応中等部 111.7
成城2 108.1
桜修館(公立中高一貫) 106.7
暁星 104.0
浅野 103.4
小石川(公立中高一貫) 103.4
海城2 100.6
筑駒 100.0
両国(公立中高一貫) 95.8
逗子開成2 94.1
早稲田2 91.4
学習院2 90.8
法政2 89.4
武蔵(公立中高一貫) 88.8
明大明治2 88.3
本郷2 70.7

☆国学院久我山のSTシステムの強さがうまく表現された結果かもしれない。授業で認知カウンセリング的対話が行われているため受験教育や数学教育を通して思春期も乗り越えながら学力を身につけることができる。今後さらに多角的な授業システムが構築される可能性がある。

☆デフレスパイラルだから公立中高一貫校だとは必ずしも言えない結果だが、公立中高一貫校の人気はたしかにある。小石川のように他の私立との併願が増えるところもでてくるかどうかは、まだまだ難しいとは思うが。

☆慶応中等部、成城2、暁星、浅野、海城2、筑駒の結果が前年対比100%以上ということは、私学市場をゆるがすほどの状況ではないのではないだろうか。全体を見れば受験市場のダメージは大きいかもしれないが。

☆私学市場以上の受験生の数をいかに増やすかが受験市場の目的になってしまう。いわゆる優秀な生徒で、経済的に無理をしなければならないのなら、本来公立学校から東大に進めばよいのかもしれない。

☆あり得ないとは思うが、東大が入試選抜で、公立と私立の入学比率を制限したらどうなるのだろう。それでも私学市場は残るだろうが、受験市場はパラダイムが変質するはずだ。そのイノベーションができないところは危うくなるはず。

☆そんなことはないだろうが、このように想定すると、制度が変わろうが変わるまいが普遍的なマインドや教育が変わらないというのが私学市場で、すぐに変化を強いられるのが受験市場ということがわかりやすい。私学市場と受験市場は違うのである。

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