2010年中学入試動向~11月合判から[06]
☆今回は、2月2日受験校のうち、志望者数100人以上の女子選択校をみてみよう。それにしても豊島岡女子は、断トツ人気である。2月1日のいわゆる女子御三家を受験する女子総数の50%に相当する。実際併願も多い。
☆これでよいのかどうか疑問もあるが、これを解消するには、豊島岡女子を教育の質で圧倒する女子校の出現が望まれる。
☆この御三家→豊島岡女子の流れが変わらない限り、女子教育のエンパワーメントが爆発しない。男性中心社会のサポート・維持から解放されるには、女性のリーダーシップが必要。女性の首相が誕生するとか、女性のノーベル賞受賞者が生まれるとか、経済社会トップリーダーが女性とか・・・。
☆ヨーロッパ型の社会とはそういうことだと思うが・・・。私学の系譜を推し進めていくとそうなるのでは・・・。
☆私学の系譜の初めのころはプロテスタントが多いし、そのほとんどがアメリカにルーツがあるのではと問い返されるかもしれないが、新自由主義を生みだしたアメリカや大消費主義国家アメリカは、アメリカの一部に過ぎない。100年前のアメリカは、まだまだヨーロッパの延長だったに違いない。
☆EUの動きは、むしろそのときのアメリカをモデルにしている可能性がある。ここらへんは専門家が研究される分野なので、そちらに期待する。
☆それはともかく、リストは以下のようになる。
豊島岡女子学園 723
青山 503
大妻2 420
普連土2★ 420
共立女子B 380
洗足学園2 346
吉祥女子2 341
鴎友学園女子 337
鎌倉女学院 294
慶応湘南藤沢 277
実践女子学園2 247
明大明治 245
白百合学園 243
跡見学園2 223
大妻中野3★ 219
恵泉2 209
富士見2 207
山脇学園B 195
神奈川大附A 193
渋谷教育渋谷2 179
大妻多摩2 164
横浜女学院A2★ 154
広尾特進選抜3★ 152
中央大横浜山手2★ 146
多摩大聖ヶ丘2★ 136
湘南白百合 134
東京農大第一2★ 129
昭和女子大附B 121
捜真女学校A 120
山手学院B★ 120
国学院久我山2 119
聖セシリア女子2★ 119
明治学院 115
神奈川学園B 115
光塩女子学院 108
東京女学館国際一般★ 101
晃華学園 100*数字は志望者数。★印は午後入試を示す。
☆JG受験の女子には、2月2日できればプロテスタントの学校を受けることを期待するがどうだろう。
☆JGの生徒のシャープなところは、パラドクスを解く際に形式論理主義的視点を持っているところだ。麻布の生徒だと、そのパラドクスにしばらく身を置くことが思考のスタイルだろうが、JGの生徒はたぶんそこからすぐに立ち去るだろう。この機敏な思考がおもしろい。
☆学院長の深い話も、難しいですねとわからないという素振りをみせるが、逃走しているのではない。その思考の中に自分が立ち止まると、エッシャーの滝のようにパラドクスから抜けられない。抜けるには絵の外に出て眺めなければならない。次元を変えるということ。そのことをあらかじめ理解する思想が、早朝礼拝と司書教諭の活躍で鍛えられる。
☆JGの生徒は、パラドクスを解くにはどうしたらよいだろうと考える必要はない。礼拝の語りと司書教諭の指導の中で、
①矛盾していると思う先入観が誤りであり、導かれた結論が正しいと受け入れる。
②その結論を導く推論原理は誤りである、と否定する。
③1つ、もしくは複数の前提が誤りであるとする。
☆という3つの解き明かす方向性としての基準をあてはめればよいのである。
☆彼女たちのそのような思想は、まさに礼拝の環境条件にある。聖書であり、絵画であり、讃美歌である。つまり聖書はゲーデルだし、絵画はエッシャーであり、讃美歌はバッハなのだ。このGEBの環が6年間の中でしっかりリンクするのである。
☆大学受験勉強のための数学ではなく、建築や文学や思想に影響を与えてきた数学的ものの見方そのものを学ぶ環境のある学校がJG以外にも必要である。そうなれば御三家→豊島岡女子の流れは少しは和らぐだろう。
☆最終的には言語モデルは数学で表現されるのだ。GEBはその大きなヒントではある・・・。ともかく日本の教育における国際理解教育は、この点を完全に見逃している。国際社会は厳密に数学的言語でコミュニケーションがとられなくてはならない。それでなければ合意形成は無理であり、この発想はすでに啓蒙期のころから、いやプラントンの時代から探究が続いているぐらいだ。新しくて古い問題・・・。私学的だ。
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