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クオリティスクールの新コンセプト[011]

クオリティスクールの新コンセプト[010] のつづき。

☆今日から大学入試センター試験が始まり、日本は中学受験から大学受験まで受験列島に突入。たしかにデフレスパイラルの影響は否めないが、この厳しい社会状況の中で、受験市場のフィルターである偏差値指標をそれなりに尊重しつつも、私学市場(中学から大学まで)では、教育や研究の質が選択判断指標になるように大きく動き出している。

☆その1つの現れが、生徒募集段階で、生徒1人ひとりの学習状況を共有し、問題克服のためにどういう学びの方法があるか、ともに考えるきめ細かい対話=コミュニケーションを行っていることだろう。

☆うちは優秀な生徒が欲しいから、ついてこれるよう頑張ってきて欲しいなどという生徒や学生を一個の人間として扱わないような広報スタッフやアドミッションオフィサーがいるような官尊民卑な学校は、いずれ私学市場では選択されなくなるだろう。

☆そのような厳しい状況の中で、一貫して対話路線、口コミ路線、学習者目線で生徒募集を実施してきた武相は、1回めの入試の応募者増加率ナンバーワン(神奈川エリア男子校の中で)である。

☆2番目が栄光学園。以前から教育の質という指標から見れば、両校は同じような質感があると書いてきたが、いよいよこの感覚を受験生・保護者と共有できたのかもしれない。

☆受験市場の指標、偏差値で見ればたしかに違いはあるのだが、私学市場の指標である質=クオリティで感じれば、両校とも本格的探究心をとても大事にしているのだ。

☆武相のその現れは、生徒募集戦略にすでに見え隠れしている。受験生とのきめ細かい相談を行っているのは言うまでもないが、なんといっても理科と社会の模擬授業が人気だ。

☆そのプログラムは、入学前に科学的ものの見方とシステム構築という探究の基本の学びがベース。すぐに定員はいっぱいになる。

☆実験やフィールドワーク、そして探究は1人ではできないチームワークが大切というポスドクの問題であるサバイバルスキルをはやくも学ぶ体験ができるのだ。

☆そしてこれが可能なのは、在学生によるチューター的リーダーシップの存在なのである。図書部や考古学部、ビジネス研究部の在学生がリーダーとして活躍する。

☆武相ではスポーツがベースにある。本格的である。しかし、この本格的とは、科学的スポーツの探究とコミュニケーション重視のスキルが背景にあることを意味する。今やスポーツ界は、チームワークなくして勝利できないというのは常識である。

☆科学とチームワークコミュニケーションという探究ベースの学校が武相であり、栄光なのだが、そのクオリアを感じることができる新しい受験生・保護者が現れてきているのではないだろうか。クリエイティブ・クラスの家族は、当然ながらクオリティスクールを選択する時代の到来。GDP主義からクオリティ主義へということ。

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