クオリティスクールの新コンセプト[016]
クオリティスクールの新コンセプト[015] のつづき。
☆月刊誌「pen(2010年2月1日号)」の特集は「草間彌生」。ポップではあるが、≪女学生の系譜≫の1つの流れだ。
☆同誌によると、世紀末に、カーネギー・ミュージアム・オブ・アートのディレクターであるリン・ゼレヴァンスキー女史が、伝説の仕掛け人として21世紀に草間彌生のアートを持続可能にしたという。
☆女性的でオーガニックな側面に魅かれたというが、なるほど、水玉をはじめ、フラクタルな無限の表現を、オーガニックに感じるところは≪女学生の系譜≫ではないか。「ハーイ、コンニチワ」というインスタレーションはまさにこの系譜を表現している。
☆ドットとネットというフラクタルな雰囲気はむしろIT的な感じで、そこが再び新鮮なのかと思っていたが、どうやら的を外していたようだ。
☆オーガニックというわけだから、蘇生でもある。無限は、無機質な永遠ではなく、回帰的生の持続である。回帰するたびに自己は解放されるということかぁ。
☆草間彌生は小説家でもある。10歳のころから水玉に憧れていたというのだから、まさに地頭力は絶大だったのだろう。統合失調症でもあったようだから、ものの見方も常識人とはちがったわけだ。こういう優れた創造的才能がつぶされずに生きてこれたところに、ものすごいパワーを感じる。
☆村上春樹が書くことで心がおちつくと言っていたような気がするが、表現力とは伝えることが第一義ではない。あくまで自己の解放・・・。
☆共立の前校長平野先生が、共立所蔵の草間彌生の作品を、ことあるたびに説明していたが、それは共立女子の理念に重なっていたからかもしれない。
☆明日20日から、東京の私立中高一貫校の出願が始まる。私立学校の本位は、現状の教育からの解放であろう。自分にとって思春期を自らを大きく羽ばたかせる時期に変容できる環境をもっている学校と出会えることを祈っている。
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