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クオリティスクールの新コンセプト[030] 栄光と武相

クオリティスクールの新コンセプト[029]のつづき。

☆ある私立学校のイベントで幾人かのライターに会った。帰りにパワーランチっというわけではないが、情報交換をした。語れないことが多いが、そんな中で、神奈川エリアの栄光学園と武相の話題は公開できるだろう。

☆栄光については、このシリーズ15回でこう書いた。

いずれにしても東大合格者の数に左右されるのは100人ぐらいで、基本的には実質的な応募者数に変化がない学校だとみなしてよいのではないか。

☆年によって雲がかかるけれど、雲は太陽をいつまでも隠せないよねと。中等教育レベルで大学受験勉強以上の本物志向の学びの環境があるところは少ないが、栄光学園はまさに本物志向。それでいて安定感があるから、人気も安定している。その点ではみな共通した考え方をしていた。

☆たしかに、更新率は低いけれど、栄光のサイトにアクセスすれば、OBゼミという各界の最前線の科学や文化、ビジネスを知る環境がある。それに生徒の部活がやはり最先端の学問とジョイントする環境もある。たとえば、最近話題になっている歴史学者加藤陽子先生のスペシャル講義など。

☆しかも、それを生徒自らがきちんと報告する機会が学園通信によってつくられている。広報活動そのものに対してはあまりお金をかけずに本物志向を生徒の言葉で表現する場にお金を注ぐ戦略は、見事にあたっているのだ。

☆しかし、それはとかくさすがは栄光学園の生徒だから、ということになりがち。加藤先生の栄光学園の生徒への講義を本にした「それでも日本人は戦争を選んだ」(朝日出版社2009年)にも、そのようなクダリがでてくる。

☆そんな話をしていたら、あるライターが、武相も大いにがんばっていると。教師ががんばっているのは当然だけれど、生徒がやはり積極的に探究活動をやっていて、それを自らの言葉でしっかり表現している。鉄研の活躍はかなり認知されているし、説明会において理科の実験や社会のワークショップでは、在校生が受験生をフォロワーしている。スポーツは道を学べる。

☆表現をすることは、自分の考えをはっきりさせるし、表現が相手に理解の変化を生むかどうか自分でも関心があるわけだから、自然とチームワークが生まれてくる。そんな人間力の厚みみたいなものは、偏差値で比べられるのかと。栄光学園とその点においては同じなんだと・・・。

☆それは私に言うのでなく、そのトーンこそ記事で伝えてはどうなのかと切り返したが、それとこれは別であり、バランスなのだと。生きるとはやはりアンビバレンツ。しかし、確実に私学を見る目が量から質にシフトしていると確信できた瞬間ではあった。

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