一日一言 新渡戸稲造【053】
一日一言 新渡戸稲造【052】のつづき。
☆1月23日 異説を容れよ
議論することや信ずることが自分とは正反対であっても、誠に真理を求める者は皆兄弟であり、皆同士であり、その者たちは必ず同じ夢を見るときがあるであろう。・・・・・・
☆理念とは夢でもある。理念とは基準でもある。ルールとは現実を裁定するが、未来を方向づけるものでもある。
☆刑法も、応報型なのか目的型なのかでは、ルールの価値観が違ってくる。税金も義務なのか相互利益なのかでは、やはり租税体系が変わる。
☆新渡戸稲造の新しさは、現行のルール観が、応報的で義務的な考え方によっていることに対し、目的型で相互利益型でいこうよと問いかけているところにあるのかもしれない。
☆つまり、法は法でありそれ以上でもそれ以下でもないから、犯罪を犯したり、違法を犯したりしたら、ルール通り処罰されるべきだし、損害を支払うべきだという考え方なのが、現行のルール観。
☆犯罪を犯したのは社会的構造に問題があり、そこを改革しなければならない。もちろん犯罪や違法行為に対し、ペナルティを与えるが、それは将来そのような行為を犯さないように教育をする視点やそのようなシステム構築をベースにしたうえだという考え方。
☆近代法が出現した時から、この両者の考え方はずっと葛藤を起こし続けている。これはジレンマという言葉で表現されることもある。
☆今のところは、両者の統一というよりは、その都度バランスをとってきた。これは続くだろうが、どちらかというと前者を好むというのは官学的。後者を好むというのは私学的である。
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