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受験市場から教育多層市場へ [12]

受験市場から教育多層市場へ [11]のつづき。

☆家族の終わりの話をしてきたのだが、終わりとは20世紀型家族のあり方が変わるということだ。家族とはすでに制度になっている。したがって、新たな家族形態は、制度改正によって形成されるというか、回収される。

☆制度改正は、当然経済になるわけであるから、この不況を脱するためには必ずシフトするのは論理的に必然なだけで、予言でもなんでもない。単純に税金を夫婦あるいはカップルから確実に回収できれば財源確保はOKなのだ。

☆しかも相続税や贈与税の問題もある。結婚しない、子どもを生まないということになれば、現行法の民法や租税法、社会保障法、労働法、医療関連法規、不動産や賃貸契約関連法規では、税金をうまく回収できない道を作ってしまうのだから、家族の終わりをきっかけにすべての法改正を次々と行っていく・・・・。フランス万歳!民主党万歳!とばかりは言っていられない・・・。

☆しかし変わらざるを得ないのだ。理念なき市場に代わる新たな市場の形成のために。しかし、そうなるとすぐに規制強化という話になり、しばらくすると規制緩和・・・。結局パラダイムの変化を減速させることにもなりかねない。

☆いずれにしても変わるのだから、教育はあらゆる想定をしておく必要がある。しかし、家族をコンサバティブ家族のタイプだけに限定しておくと、それ以外のタイプの家族が内包している問題を解決するリスクマネジメントの準備ができない。家族市場全体を先に作る準備をしておかないと、法制定による家族市場の機能があとから稼働することになる。

☆受験市場や教育市場は、それに追随するほうが賢いかもしれない。しかし、私学市場はそれでは困ることがいっぱいでてくるだろう。家族問題はあまりに大きいので、結局国家の介入を招くことになるからだ。

☆そうならないためにも、私学市場と家族市場があらかじめカップリングしておいて、その成果を国が使っていくという戦略をとったほうがよいだろう。結果的にそれは国家や地球市民にとって利益になるだろう。

☆しかし、こんなことを提案するまでもなく、私学市場は動いているのも確かだ。まだそこに気づいているメンバーが、受験市場や教育市場に少ないだけのことなのだろう。教育の法化現象の中に、見え隠れする新しい家族問題。それを解決することはいかにして可能か?そのようなテーマで、東京私立中高協会や東京私学教育研究所はすでに数年前から研修やセミナーを開催しているぐらいだ。

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