一日一言 新渡戸稲造【062】
一日一言 新渡戸稲造【061】のつづき。
☆2月1日 心は隠すことはできない
・・・・・・人はそれを隠そうとしてもできるものではなく、慎むべきことは、言動よりも常に心を正常に保つよう心掛けることである。・・・・・・・
☆最先端技術では、目ではなく額で物を視ることができる。
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一日一言 新渡戸稲造【061】のつづき。
☆2月1日 心は隠すことはできない
・・・・・・人はそれを隠そうとしてもできるものではなく、慎むべきことは、言動よりも常に心を正常に保つよう心掛けることである。・・・・・・・
☆最先端技術では、目ではなく額で物を視ることができる。
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一日一言 新渡戸稲造【060】のつづき。
☆1月31日 「抑」の一字
・・・・・・・贅沢をしたいという気持ちを抑制し、無駄遣いの欲望を抑制することは、天下国家を治める人も、自分を守る人も、きわめて重要なことである。・・・・・・・
☆この場合の抑制とは単純に合理的に計算しなさいということだけで、我慢とか忍耐とか規制とかいう意味はないのだろうが、「気持ちを抑制」というからには、やはりそういう意味がないわけではあるまい。
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一日一言 新渡戸稲造【059】のつづき。
☆1月30日 家庭の円満
家庭が円満なことは、他人が見ても心地よく、天下泰平の基も夫婦親子が仲睦まじいことが基本である。家がまとまって初めて国が治められる。・・・・・・
☆問題はどんな国家かである。国家によっては、家族の形態も変わる。
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☆明日から東京・神奈川エリアの中学入試が始まる。今日、明日力が発揮できるように、受験生はリラックスして一日を過ごしていることだろう。そうはいっても緊張はなかなかほぐれないだろうから、軽く身体を動かしたりしながら、平生通り最終チェックをして明日に臨んで欲しい。
☆さて、もはや受験生は気にする必要が全くないが、こんな記事が産経新聞から配信されている。
東京、神奈川で2月1日から私立中入試が一斉に始まる。大手進学塾によると、今年の中学受験は不況の影響で併願校数を絞る傾向が出ているものの、受験者数は「昨年並みか微増」(日能研)となる見通し。
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☆少子高齢化、大量[消費×生産×移動]のストップの影響はいよいよ時代の価値観を変え、働き方を変え、コミュニケーションのあり方を変え、家族形態を変える。
☆この変化以前の今までの社会を無理やり牽引してきたのは、日本の場合は社会構造上男子だった。それがこれからの変化で、この男子の生き方や価値観にも変化が表れる。
☆それゆえ、首都圏の男子校の教育のあり方の動向は大いに注目に値する。新しい社会を創造していく男子を輩出する学校はやはり注目されるからだ。もちろん、本当の意味で新しい共学校は、男子と女子の両方の生き方の変化をつかんでいる。しかし、このような共学校はまだまだ少ない。
☆クオリティスクールである女子校はすでに新しい方向に、98年・99年以降踏み出しており、逆に社会の認識の度合いがわかるので、それは入試終了後みてみたい。
☆ともあれ、今春の厳しいこの状況の中で、生徒募集でふんばっている男子校は、前回述べたように、今を牽引する徹底したエリートスクールか、未来を創るクオリティスクール(エクセレントスクールも含んだ広義の文脈で使っている)の可能性が高い。
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クオリティスクールの新コンセプト[038]立教女学院と女子聖学院のつづき。
☆世界同時不況の影響はすさまじい。中学受験にも影響がないわけではない。この不況は大量生産・大量消費とともに大量移動にもストップをかけている。総務省によると3大都市圏の転入超過の動きも急激なダウン。(グラフは総務省ページから)
☆したがって、この不況を脱すれば世の中良くなるし、中学受験も再び上向くだろう、という楽観主義的見通しをは業界は立てていない。
☆デフレスパイラル以前に、少子高齢化の影響はどうしようもないところまできているからだ。総務省の人口構造の推移をみるまでもないが、0歳から14歳までの人口は減る一方である。(グラフは総務省ページから)
☆従来のGDP重視の経済成長の枠組みでは、人口の数は重要であるから、企業が海外に、特に中国を中心とするアジアに目を向けるのも当然である。
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一日一言 新渡戸稲造【058】のつづき。
☆1月29日 自覚の大切さ
・・・・・・前に進む前に、進む道を考慮し、口を開く前に相手がどういう人かを慮るべきである。
☆新渡戸稲造はさすが≪私学の系譜≫のルーツである。今日私学の私学であるリーダーの方々はこの配慮が行き届いている。
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クオリティスクールの新コンセプト[037]横浜女学院に/の風のつづき。
☆本ブログで以前「立教女学院からの贈り物 世界の子どもたちに」という記事を書いた。そこで、立教女学院の生徒が、世界の平和を祈る聖歌を祈るように歌っているCDがあることを紹介した。
☆この間、CDを整理していた時に、偉大なるオルガニストであるサット・マリーさんのCDを見つけた。女子聖学院のチャペルでオルガン演奏をしたときの録音。もともと女子聖学院のチャペルのパイプオルガンの設計はサット・マリーさんによる。
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クオリティスクールの新コンセプト[036]中学受験生へエールのつづき。
☆毎年毎年受験生が集まる横浜女学院。今年も集まっている。いったいそれはなぜか、今業界の仲間たちの中で語られている話題の1つだ。
☆よい学校であることはわかるが、だからといってこのご時世にこんなに人気があるのはなぜか?何か新しい教育プログラムでも開発したのか?ということについて議論されているのだろうか。
☆たしかに不易流行を真摯に実行しているわけだから、そうなのだろう。ただし、その変化は入学してきた生徒1人ひとりの才能にこだわるから変化するのであって、その才能を見出そうとする教育は不易なのである。
☆生徒1人ひとりにぴったり合う教育。このプログラムをマニュアル化することなどできない。かつて訪れた時、在校生は「この学校、優しい風が吹くんです」と語ってくれた。
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クオリティスクールの新コンセプト[035]かえつ有明の深まりのつづき。
☆白梅学園清修「seishu日記」で、中学受験生にエールが贈られている。女子校であるが、男子受験生も読んで、自信と勇気をもらってはどうだろうか。
☆受験に限らず、サッカー選手の選抜方法の難を指摘し、これからの教育のあり方を志向している。
☆従来の受験やスポーツ選手の選抜は、はじめから偏差値や体力の高い、ある意味できあがった即戦力を重視するものであった。
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一日一言 新渡戸稲造【057】のつづき。
☆1月28日 人を許容できる度量
・・・・・・人を許容できる度量が小さいならば、自分の懐の小さいことや、器の小さいことを恥じるべきではないか。
☆クリエイティブ・クラスの条件は3Tであるとは、リチャード・フロリダ教授。
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☆今の地に拠点をシフトして共学校になってかえつ有明は5年目を迎える。サイエンス科、学習支援体制、学級や授業づくりのためのPDCAサイクルシステムなど新しいプログラムを開発運営し、進化してきた。
☆そして、その進化は、中1から入学してきた生徒の成長に程よい距離を保ちながら同伴走行してきた道のりでもあった。
☆学校を外から見ていると、どうしても新しいシステムに目が行きがちである。私もその例外ではない。
☆しかし、5か月ぐらい前に取材をさせていただいた先生方にお会いして、話を再び聞くチャンスをいただいて驚いた。サイエンス科のような新しい学びのシステムは、すっかり当たり前になっていたのだ。
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一日一言 新渡戸稲造【056】のつづき。
☆1月27日 男らしきことは優しこと
・・・・・・・文武の道に秀でた青年であった右大臣実朝は、他の人々の怨みの犠牲になって、はかなくも殺されたけれど、彼の想いのほどは、その和歌に込められており、その自然観、その人生観は、男らしくして柔軟で、潔く忠実な志は、今なお、人の心の励みとなる。
☆一見男性讃歌であるが、それは違うだろう。新渡戸稲造の生きた時代に、いや今の時代もそうだが、どれほど男が自分の志ではない他者の志に従順にならざるを得ず、そのポジショニングから自由になれず、頑迷固陋で保守的、リスク隠ぺい主義で忠実でないか。
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クオリティスクールの新コンセプト[033]公立中高一貫校熱収束かのつづき。
☆駒場東邦の最終出願数は598人。昨日より8人増えたが、結局昨年対比90.9%で伸びなかった。
☆早稲田中の1回目の最終出願数も、昨年対比87.6%、2回目は85.3%。
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クオリティスクールの新コンセプト[032] のつづき。
☆日能研倍率速報によると、首都圏の国立中学、公立中高一貫校の総最終出願数は21,659人で、昨年対比99.6%。東京エリアで4校の公立中高一貫校が開設し、総定員は1.4倍になったにもかかわらず。
☆もちろんそれでも、総定員数に対する総応募者数の倍率は6.6倍だから、激戦であることに変わりはないが、熱はすこし収まったというところだろうか。
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クオリティスクールの新コンセプト[031] 駒東と桐朋のつづき。
☆聖光学院1回目の最終出願人数は、726名。昨年対比89.1%。しかし、隔年現象だから、実質は変化がないとみなしてよいだろう。
☆慶應中等部の最終出願は、男女合わせて昨年対比106.0%。2008年との対比では103.4%。やはり変わらない。多少聖光と慶應中等部の男子の入れ替わりはあるぐらいの違いではないか。
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一日一言 新渡戸稲造【055】のつづき。
☆1月26日 作品にも人が表れる
元禄7年(1694年)の今日は、松尾芭蕉が没した日である。彼の俳句の17文字に、いかに深い教訓が込められているのかは、単にいわゆる文芸に秀でていただけでなく、彼の人となりと彼の心がけと修養の表れである。・・・・・・
☆言葉とはたんなる指示記号ではないということか。
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クオリティスクールの新コンセプト[030] 栄光と武相のつづき。
☆本日、駒場東邦は応募の締め切り日。桐朋はすでに応募は終了している。25日現在で両校の倍率の推移をグラフにしてみた。両校とも倍率は減少している。
☆この倍率の減少ちょっと気になる。というのも倍率はあまり問題でないともいえるのであるが、3倍は欲しいところである。
☆このレベルの学校で、この倍率推移は、きっちり偏差値で選んでいる受験生の集合に絞られている可能性があるからだ。
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☆ある私立学校のイベントで幾人かのライターに会った。帰りにパワーランチっというわけではないが、情報交換をした。語れないことが多いが、そんな中で、神奈川エリアの栄光学園と武相の話題は公開できるだろう。
☆栄光については、このシリーズ15回でこう書いた。
いずれにしても東大合格者の数に左右されるのは100人ぐらいで、基本的には実質的な応募者数に変化がない学校だとみなしてよいのではないか。
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一日一言 新渡戸稲造【054】のつづき。
☆1月25日 雲は一時
延喜元年(西暦901年)の今日は、菅原道真がおとしいれられた日である。昨日まで飛ぶ鳥をも落とさんという勢いであった道真公も、一瞬にして日陰の人になった。けれども雲は永久に月を隠すものではない。それは、月が俗世間に固執しないためである。・・・・・・
☆真理や正義、愛は永遠なのだということだろうか。
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一日一言 新渡戸稲造【053】のつづき。
☆1月24日 小因大果
西暦1712年の今日はフレデリック大王が生まれた日である。彼の大いなる志と大いなる偉業は、今日になってその効果を示しつつある。物事が偉大か否かは、結果が表れて初めてわかる。結果の及ぼす果実はどれほど大きく、どれほど長く続くか、計りしれない。・・・・・・
☆結果が大事であるが、これは目先の結果ではあるまい。
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☆先週土曜日(1月23日)、白梅学園清修は、4年生(高1)によるEU研修報告会があった。清修は新設から5年目にはいり、今春5期生を迎えるが、高校1年までにリベラルアーツ的なプログラムの大きな流れが実行できた。
☆高校2年からは、4年間蓄積してきた経験値をいよいよ大学進学などの進路実現のための教育活動にシフトしていく。
☆だから一期生である4年生は、次のステージへ大きくジャンプすることになる。
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一日一言 新渡戸稲造【052】のつづき。
☆1月23日 異説を容れよ
議論することや信ずることが自分とは正反対であっても、誠に真理を求める者は皆兄弟であり、皆同士であり、その者たちは必ず同じ夢を見るときがあるであろう。・・・・・・
☆理念とは夢でもある。理念とは基準でもある。ルールとは現実を裁定するが、未来を方向づけるものでもある。
☆刑法も、応報型なのか目的型なのかでは、ルールの価値観が違ってくる。税金も義務なのか相互利益なのかでは、やはり租税体系が変わる。
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☆聖学院グループの中で、今年は男子聖学院が健闘しているが、女子聖学院にしても聖学院大学にしても、生徒獲得戦略は成功するだろう。
☆質の高い教育への日々の努力と生徒獲得のための戦略を練ることにかけては、各学校に優れたアドミッション・オフィサーがいるからだ。
☆男子校、女子校、大学のアドミッション・オフィサーの特徴は、聖学院ビジョンをその戦略に巧みに織り込むことだ。
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☆東京エリアで出願を締め切った試験がいくつか出てきた。見てみよう。女子校の場合は、昨年がサンデーショックだったので、一昨年の最終応募者数と比較してみた。
桜蔭 96.4%
JG 101.0%
立教女学院 108.3%(まだ出願残あり)
桐朋女子 89.6%
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一日一言 新渡戸稲造【051】のつづき。
☆1月22日 熊沢蕃山の遺訓①
・・・・・・人は自分だけがそれをうまく隠し覆えていると思っているものだ。自分の欲するものを求め、なかなか人の戒めを聞き入れないものなのである。・・・・・・
☆これは今も同じ。まさに民主党の・・・。それはともあれ、思春期でも同じことが起こる。保守主義、偏向主義、リスク隠ぺい、無気力の壁を取り払うには、やはりディスカッション以外にない。
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☆東京エリアの出願がはじまって3日目、少しずつ昨年と同じくらいの受験総数に向かって出願数が増えている。もちろん、午後入試や試験回数を増やしているから、実受験者数は多少減るかもしれない。
☆しかし、3倍以上倍率があれば、基本的にはサバイバルできるはずだから、量よりも質の方向に本音ではシフトしなければならない。まあしかし、受験というのはイベントでもある以上盛り上がりと勢いが大切で、この時期にクールに構えているわけにはいかないのも事実なのだ。
☆冷静だが熱い行動がなければ、市場は衰退するのが世の常だからだ。
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一日一言 新渡戸稲造【050】のつづき。
☆1月21日 得意の時のわがまま
・・・・・・人は少し出世すると偉ぶり、自分の身の程を忘れて自分のわがままを押し通そうとするため、他人を縛ろうとした縄で自分の首を絞めることになる。
☆他人を縛ること自体わがまま。縛るとは抑圧するということだ。抑圧はかならず反作用が生まれるということか。
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☆20日、東京エリアの私立中高一貫校の出願が始まる日の読売の朝刊「編集手帳」で、「銀の鈴社」(本シリーズ[022]で紹介)が編集発行した「漢字のかんじ」(杉本深由紀詩集 ジュニアポエム№200)が取り上げられた。
☆「ちょっと風変わりな詩集」と評されている。これは読まずにはいられない。と、おもっていたら、以心伝心贈っていただいた。言の葉が風にのってやってきたかんじ。
☆ページをパラリと開いて最初に目に飛び込んできた文字は、「×」。受験シーズンにはドキッとする記号だ。しかし、なんてすてきな記号なのだと、すぐに心変わり。
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☆21日の首都圏の私立中高一貫校出願集計の昨対比は、100.2%(日能研入試情報による)。東京は101.5%、神奈川は102.0%、千葉・茨城は98.8%、埼玉は97.3%。
☆千葉エリア、埼玉エリアの受験生が減ったというより、東京と神奈川のエリアから1月の千葉、埼玉エリアへ受験しにいく数が減ったのかもしれない。
☆ということは今のところ受験生の数は、昨年に比べ大きく減ることはないということか。それとも今後あまり伸びないのか・・・。
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☆中村の梅沢教頭から、こんなあたたかいメールが届いた。
昨日から出願が始まりました。
今まで説明会に何回も来てくださっている保護者の方であっても書類を出す手が震えています。あるいは、千葉県の入試会場にお子様を送ってから後ろ髪を引かれながらも息を切らしていらした方々。
毎年のことですが、私たちの使命の重さをひしひしと感じます。
出願の日だからこそ皆様のお力になれることは?さりげなく暖かい一言だと信じています。この一言から数秒の会話が生まれ、お互いの体温を感じるのです。どんなに外が寒くても、心はポカポカになって帰って頂きたい。そして、悔いのない入試をしてもらいたい。それが中村中学校の願いです。
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☆先日編集・企画・出版をてがける株式会社「銀の鈴社」の社長西野さんと電話で話をする機会があった。西野さんは、私立中高一貫校の中でも教育のクオリティを大切にしている学校の表現の支援をされている。
☆100周年を迎えた中村学園の周年誌も編集しているし、私立学校の先生方の創造的な授業の勉強会も支援している。その会で発表された先生方の授業レポートを書籍として出版もしている。本物志向の会社で、私学市場に咲く野のすみれのような存在。
☆児童文学の支援もし、「谷川俊太郎さん」や「まど・みちおさん」をはじめとする何百人もの詩人と協力して子どものためのジュニアポエムの詩集をシリーズで出版している。その中から中学入試問題や教科書でも採用されることもあるぐらい。
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☆昨日20日、東京エリアの私立中高一貫校の出願が始まったが、男子校の東京エリア総定員に対する倍率は2.9。女子校は2.5。共学校は2.2となっている(日能研入試情報による)。
☆昨年は男子校が苦戦し、一年間で、聖学院や本郷、獨協の先生方を中心とする私学の男子校のメンバーが強力に連携して合同説明会や、各学校の説明会で男子校の意義をアピールした。
☆その成果が初日出願では出た形となった。しかし、出願全体の出足はそれほど急激なものではない。これからの巻き返しが重要だろう。受験市場と私学市場が互いに協力し合わなければ(もちろん善い意味で)ならないシーズン。
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☆東京エリアの私立女子中高一貫校の出願も始まったが、昨年はサンデーショックの年のために、単純に昨年対比で判断できないが、日能研の応募者増加率のサマリーを見ると、小野学園女子、佼成学園女子、京華女子、文化女子大杉並といった女子校がフンバッテいるのが目立つ。
☆小野学園女子は、ここ4年間理数の女子校であることをアピールしてきたし、授業やカリキュラムの改革の実践をサイトでガンガン表現してきた。そしてついにその成果が今年の生徒募集につながる可能性が高くなってきた。
☆京華女子の学内の改革も相当長い年月がかかったが、男子校とともに切磋琢磨してきた甲斐があったのではないだろうか。
☆文化女子大杉並は、着々と教育の質を高め、生徒募集においても成功してきたが、さらに安定した生徒募集戦略を形づくったのではないか。
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☆本日20日、東京の私立中高一貫校の出願が開始。四谷大塚入試情報センターによると、開成、麻布、武蔵は初日出願数に関しては、昨年よりも上回ったが、駒場東邦は下回った。
☆開成の今年の初日出願数は922人で、昨年の初日出願数は919人。麻布は今年は806人、昨年は700人。武蔵は今年は473人、昨年は441人。駒東は今年は430人、昨年は480人。
☆受験市場が御三家で勝負しようと強気で受験指導をした可能性がある。おそらく全体的には受験生は多少減るだろうから、2月1日無理をしないで受験する生徒が、合理的な受験となる可能性が高い。
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クオリティスクールの新コンセプト[017]普通部の応募者過去11年で最低 のつづき。
☆かつての仲間の最近のエッセイを読んだ。NTS教育研究所の石井氏の文章だ。忙しいのだろう。ときたま本当に心の底から書きたいと思ったときに掲載するようだ。
☆だから、読まずにはいられない。テーマは、「聖園女学院が育むリーダーシップ」(NTS教育研究所サイト2010年1月18日)。
☆そしてやはり私学市場の動きを鋭くキャッチしているのを感じた。私立中高一貫校に関してこういうトーンの文章は、本当に少なくなった。だからこそ今後も書き続けて欲しいとエールを贈りたい。
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クオリティスクールの新コンセプト[016] のつづき。
☆慶應普通部の最終応募者が集計されたようだ。680名で前年対比79.2%。デフレスパイラルへの影響もあるが、それにしても11年前の2000年からたどってみても最も少ない。
☆グラフを見ればわかるように、昨年は隔年現象。それ以前は経済の回復傾向に呼応している。だから、隔年現象と経済的影響の複合的なものだろうが、それにしても極端だ。
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一日一言 新渡戸稲造【049】のつづき。
☆1月20日 善行に遠慮は不要
人の世話をすれば親切ぶると言われ、読書をすれば学者ぶると言われ、自分の考えを述べれば利口ぶると言われ、真面目になれば君子ぶると言われても、人の言葉を恐れていたのでは、電車で他人に席を譲ることも、書店で本を買うこともできない。自分の心の信じることころを実行しないことのほうが、じつは「ぶる」ことの極みなのだ。善いことを行うのに遠慮は無用なのである。
☆これは当時の日本の文化が、親切とか読書とか考えるとか真面目とか信念を通すとか、そういった行為は人間なんてしないというネガティブな背景をもっていたということだろう。だからそういった行為を実際にすると信じられない、なにがんばっているんだということになる。
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クオリティスクールの新コンセプト[015] のつづき。
☆月刊誌「pen(2010年2月1日号)」の特集は「草間彌生」。ポップではあるが、≪女学生の系譜≫の1つの流れだ。
☆同誌によると、世紀末に、カーネギー・ミュージアム・オブ・アートのディレクターであるリン・ゼレヴァンスキー女史が、伝説の仕掛け人として21世紀に草間彌生のアートを持続可能にしたという。
☆女性的でオーガニックな側面に魅かれたというが、なるほど、水玉をはじめ、フラクタルな無限の表現を、オーガニックに感じるところは≪女学生の系譜≫ではないか。「ハーイ、コンニチワ」というインスタレーションはまさにこの系譜を表現している。
☆ドットとネットというフラクタルな雰囲気はむしろIT的な感じで、そこが再び新鮮なのかと思っていたが、どうやら的を外していたようだ。
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一日一言 新渡戸稲造【048】のつづき。
☆1月19日 1つの光明
求めてもいないのにふと自分の心の中を吹き抜ける風。また、暗闇にどこかの隙間から入ってくる1つの光明。・・・・・・どうして人生を失望すべきことがあろうか。
☆言い得て妙だ。求めていなければ風を感じることができない。光明を見ることができない。
☆いったいどういうことか?
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☆今年の大学入試センター試験は概ね問題なく終わったようだ。どんな問題が出ているのかと現代文を見ると、岩井克人さんの文章が出題されていた。
☆で、斜め読みしたら、いくつかキーワードが入ってきたので、商業資本主義と産業資本主義、金融資本主義という表層的歴史の違いの外皮を暴くと、資本主義ってえのは、結局差異を創り出す資本家の思うつぼなんだよという岩井さんの発想が書かれているだろうと思い、そのまましっかり読まずに問いを解いてみた。
☆そして、えっなんて素直な問いのデザインなのだろうと思わず感心した。直接的な選抜試験の性格を持っているわけでではないから、どこまで解けるかが重要で、結果は各大学が参考にするのだから、これでよいのかもしれない。
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一日一言 新渡戸稲造【047】のつづき。
☆1月18日 耐忍
・・・・・・何か事を起こそうとすると、必ず周囲に反対されのが世の常である。ある時は馬鹿者と罵られたり、狂人と呼ばれたり、・・・・・・・・これは試練で、その成否を決めるのは己の耐忍である。
☆今日もそうだし、かつてもそうだった。それが世の常???たしかにそうなのだが、この世の常は普遍的ではない。新渡戸稲造の生きた時代は、世は抑圧的なコミュニケーションの規範がベースだったし、その前もそうだったし、今日もまだまだそうかもしれない。
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一日一言 新渡戸稲造【046】のつづき。
☆1月17日 理想と実現
今日(西暦1707年)は、フランクリン(米国の政治家、科学者、避雷針の発明者)の生まれた日である。この人は常に高い理想を日々の生活の中で実施、大きな理念を自分に果たした人であった。・・・・・・・。
☆理想を実現することの重要を強調。つまり知行合一が大事だということ。
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一日一言 新渡戸稲造【045】のつづき。
☆1月16日 協力による繁栄
一年に何度もない今日の藪入(奉公人が盆や正月に家に帰ること)には、使用人の主人もこの日を祝福するため、奉公人の休日の自由を大事にし、後に悔いのないように過ごすことが望ましい。父母、親戚、恩人などを見舞うことは一番よいことでもある。・・・・・・。
☆時代が違うので、家族のあり方も違う。そこを考慮して、エッセンスをとりだすと、ステークホルダーとのコラボレーションが重要だということになるのではないか。とくに労働と家族の問題は重要。
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クオリティスクールの新コンセプト[014] のつづき。
☆栄光学園の応募が締め切られた。応募者数700名で、昨年対比12%増。過去11年間の応募者数推移をグラフ化してみたが、平均716.9人だから、デフレスパイラルの影響はあまりない学校だということだろう。
☆むしろ、100人ぐらいは、同学園の東大の合格実績と相関して、増えたり減ったりしているだけだろう。
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クオリティスクールの新コンセプト[013] のつづき。
☆現時点で、神奈川エリアの共学私立中高一貫校で、トータルに生徒の応募者増加率が高いのは、山手学院である。
☆この私学の戦略はたいへんおもしろい。広報部隊の先生方と学内の先生方の役割が戦略的にロールプレイされているのである。
☆広報部隊が、受験市場よりのメッセージを明快に出すのに対し、学内の先生方は、生徒達にできうる範囲のクリエイティビティを開花させる環境を設定する。
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クオリティスクールの新コンセプト[012] のつづき。
☆神奈川エリアの女子校で、この厳しい中で生徒の応募者が順調に増えているのは、相模女子と鎌倉女学院、中央大学山手女子、捜真、横浜雙葉、横浜女学院、洗足。
☆横浜雙葉、横浜女学院、洗足は、今やその教育の質が多くの受験生や保護者に浸透しているので当然かもしれない。鎌倉女学院もその戦略的な生徒募集や教育システムのパワーは広く認知されている。
☆相模女子の場合は、2004以降、新校舎の空間デザインが、教育のビジョンをシンボライズするようになっていて、それをベースに着々とフラットなコミュニケーションが広がっている雰囲気を形成しているから、そういう質感が認知されつつあるのだろう。
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クオリティスクールの新コンセプト[011] のつづき。
☆筑駒の生徒募集はすでに締め切っているが、昨年比11%減。07年と比べても同様。ということは急に減ったということになる。学芸大や東京大学の附属中学もやはり減っている。
☆国立だからデフレスパイラルの影響で減るというわけではないはずだ。どういうことだろうか?
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クオリティスクールの新コンセプト[010] のつづき。
☆今日から大学入試センター試験が始まり、日本は中学受験から大学受験まで受験列島に突入。たしかにデフレスパイラルの影響は否めないが、この厳しい社会状況の中で、受験市場のフィルターである偏差値指標をそれなりに尊重しつつも、私学市場(中学から大学まで)では、教育や研究の質が選択判断指標になるように大きく動き出している。
☆その1つの現れが、生徒募集段階で、生徒1人ひとりの学習状況を共有し、問題克服のためにどういう学びの方法があるか、ともに考えるきめ細かい対話=コミュニケーションを行っていることだろう。
☆うちは優秀な生徒が欲しいから、ついてこれるよう頑張ってきて欲しいなどという生徒や学生を一個の人間として扱わないような広報スタッフやアドミッションオフィサーがいるような官尊民卑な学校は、いずれ私学市場では選択されなくなるだろう。
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一日一言 新渡戸稲造【044】のつづき。
☆1月15日 人生の目的
人がこの世に生まれてきた大きな目的は、人のために尽くすことにある。・・・・・・それで生まれてきた甲斐があったというものである。
☆ポスト・モダニズムといわれている今日、人は個性化という名のもとに個人の興味と関心を人生の目的とし、市場という名の他者の隠れた思惑や操作のシステムに翻弄されている。
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クオリティスクールの新コンセプト[009] のつづき。
☆ときどきデザイン事務所の社長H氏のところを訪れる。デザインとはDe-Signと思っているから、何も建物としてのデザインや広告のデザインのことだけではない。庭園とか言葉とか思考とか感情とか企画とか、なんらか形(FORM)にすることをDe-Signだと思っている。
☆そんな話は、受験市場に立脚した学校のパンフやポスターをつくっている広告代理店のスタッフとはなかなかできない。「学校側は安くてインパクトのあるものを作ってほしいのですから、本間さんのそんな能(脳)天気な話なんか僕らにはわからんですよ」ということになりがち。もちろんそうでないスタッフもいるが、圧倒的に少ない。
☆大手ゼネコンの設計者も意外や受注できなければ意味がないと思っているから、フランク・ロイド・ライトやバウハウスのモダニズムの斬新さは何だったのか、それが日本の京都の庭園ではなくて大名庭園と共通項があり、それが学校の建築や教育カリキュラムにどう影響するのかなんて談議になったとたんに話題をさっと変えられる場合が多い。
☆イサム・ノグチを研究している中堅の建築設計事務所の設計者のほうがはるかにおもしろい。要はアートと教育を媒介する言葉とかメディアによって場と時間をどうデザインしたらよいのかという話にならなければ、教育のデザインの見通しがたたない。
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クオリティスクールの新コンセプト[008] のつづき。
☆千葉エリアの私立中高一貫校初回一般入試の応募締め切りがそろいはじめた。応募者数の前年対比をみてみると、必ずしも盛り上がっているという感じではない。
☆たとえば、次の5校をみてみると、
東邦大学付属東邦 前期
昭和学院秀英 2回(一般)
市川 1回
江戸川学園取手 1回
渋谷教育学園幕張 1次
芝浦工業大学柏 1回
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一日一言 新渡戸稲造【043】のつづき。
☆1月14日 隠れたる力
すべて世の中のことは、表に現れないところに、その力の原点があるものだ。・・・・・・春に目立つ桜は一時だけだが、地下の根は冬が来ても枯れはしない。
年毎に春を知りてや梅桜
木を割りて見よ花のありかを
☆外観より本質が大事だという見方もできるが、どちらかというとルビのつぼではないか。
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クオリティスクールの新コンセプト[007] のつづき。
☆四谷大塚の入試情報センターによると、 筑波大駒場の初日出願数は、634名で、昨年初日は696名だったそうだ。栄光学園は、今年初日出願は487名、昨年初日は489名である。
☆両校のような学校は経済危機にあっても、その影響はあまりないということか。
☆なぜか?
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一日一言 新渡戸稲造【042】のつづき。
☆用心を怠るな
昔1人のかわいい子供が主人に大変愛されていた。あるとき、桃を食べ、あまりの美味しさに、自分の食べ残りを主人に勧めたところ、主人は自分を思う心に感嘆した。ところが、後になって主人の愛がなくなったとき、・・・・・・。
☆結果はあまりに悲しい事件にいたるので、省略するが、基準やルールが変わることで起こる事態のたとえ話とも読み取れる。
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一日一言 新渡戸稲造【041】のつづき。
☆1月12日 人を測るということ
他人の苦しみや楽しみを、たとえ理解したとしても、その度合いは容易に測れるものではない。・・・・・・何事も自分の考えで他人の苦痛を理解することはできない。
☆実存的だと読み取ることもできるが、新渡戸稲造の思想の現代化を優先すると、理解は客観的な認識という限界があるから、主観性を排除するか、どこまでも大事にするか、それが問題だと読み取ることもできよう。
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クオリティスクールの新コンセプト[006] のつづき。
☆前回、フェリス女学院について話題にしたが、フェリスの併願についても少し考えてみたい。というのも、四谷大塚の第4回目の合不合判定テストの最終資料を眺めていて、フェリスの併願が、神奈川エリアの私立学校の飛躍のトリガーになるのではないかと今さらながら感じたからなのだ。
☆フェリスの併願は、「浦和明けの星―鎌倉女学院―横浜共立B―鎌倉女学院②―頌栄女子学院②」という流れが一番多いのだろうか。そのほかに鴎友学園女子、慶應中等部、田園調布、洗足学園などの併願も多い。
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一日一言 新渡戸稲造【040】のつづき。
☆1月11日 悪への考え方
・・・・・・時々自分を悩ますことがあるのは、自分に足りないところがあるからである。そうであるなら、一時の風の吹きようで、自分を慎めば、自然と自分の風がくるものである。
☆風とは、風土や気候、自然などあらゆるものの関係が生み出すものである。自然環境の条件そのものといってもよい。
☆その関係を認識できなければ、それは自分の問題なのだということか。
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一日一言 新渡戸稲造【039】のつづき。
☆1月10日 感謝の念の力
・・・・・・苦しいこともありがたいことだと思えばありがたくなるし、いやなことも、うるさいことも、生や死についても同じで、感謝の気持ちは、鉄や鉛をも黄金に変えてしまうものである。
☆感謝とは相手に従うということではない。感謝をすることによって、頭を垂れることによって、全体が見えるし、細かいことに気づく。そういう心的空間作りができるということだろう。
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クオリティスクールの新コンセプト[005] のつづき。
☆昨日9日、フェリス女学院の応募が開始。初回は477人。サンデー・ショックの昨年との比較はあまり意味はないので、2008年当時の最終応募者を見てみると456人だった。すでに初回で超えている。
☆中学受験者の数が全体的には5%は減るのではないかというい時に、まったく影響を受けていない。もともと受験市場とは距離を置いた孤高なる存在。
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一日一言 新渡戸稲造【038】のつづき。
☆1月9日 天を恨むな
・・・・・・忠義を尽くし礼をもって臨めば、人は岩や木でないから、いつかは自分の徳をわかってくれるものである。・・・・・・
☆これは一見道徳的な記述であるが、ギブ・アンド・テイクでないから、道徳的ではない。
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クオリティスクールの新コンセプト[004] 愛光東京入試始まるのつづき。
☆中学入試が始まる一方で、それぞれの私立中高一貫校は、新しい年を迎え、新学期が始まり、各校の教職員会議では、年頭の気概が確認されている。かえつ有明でも、石川教頭は次のように語ったそうである。
国際情勢に目を向けると昨年末に地球温暖化防止に関する国際会議(COP15)が開催されました。結果は皆様がご存知の通りで、満足がいくものでは決してなかったと思います。地球温暖化防止のため2050年に向けて大幅な温室効果ガスの削減がサミットで先進国の中で合意されているのに、です。
ここで考えなくてはいけないことは2050年の社会を創っていくのは誰なのか?ということです。その主役となるのは今の生徒たちの年代の人間ではないでしょうか?現在の小学生・中学生・高校生はこれからの40年間でこの件を必ず解決しないといけないのです。世界のあらゆる国の利害が対立する複雑な問題を解決していく能力が必要となります。
日本社会に目を向けると環境問題だけではなく、高齢化社会の問題、国際秩序の変化など今まで直面したことのない問題にこの40年間で向き合っていく必要があるのです。
そして私たち教育現場にはこういった諸問題に立ち向かっていく能力を養成することが求められていると思います。これは非常に大変なことではありますが、逆に言うと教育現場にとっては非常にやりがいのあることであるとも言えます。
☆本日(1月9日)、愛光学園の入試が行われる。今年から東京会場も設定された。定員男女合わせて200名のところ、応募者は921名。うち東京会場の応募者は196名。
☆一般に、寮制の学校というとラサールがすぐに浮かぶかもしれないが、夏目漱石や正岡子規ゆかりの松山にある愛光学園も、総合的な教育の質という点でも東大をはじめとする大学進学実績という点でも実力派の私立中高一貫校。
☆多感な中高時代は、かわいい子には旅をさせよではないが、東京エリアの何不自由のない便利な環境から、寮生活をおくることは未来に大きく羽ばたく貴重な経験となる。ある意味ゆるやかな留学体験をするのと同じで、人間関係形成力を鍛えるチャンスだし、考える時間をたっぷりとれる良い経験を積める。
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一日一言 新渡戸稲造【037】のつづき。
☆1月8日 決心の妨げ
新たに志を立てるものは、必ず新しい災難や妨害に遭うことになる。・・・・・・
☆道徳的には、信念を曲げずにがんばろうということになる。もちろんそれでよい。しかし、認知的には、リスクマネジメントというのは危機を避けることよりも、意志決定にすでに危機が潜んでいるという二重構造になっていることをreflectionする思考の働きのことのほうが重要だ。
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☆中学入試の応募が始まっている。もちろん始まったばかりで、全貌は見えないが、CCPベースの学校について気づいたことを書きとめていこう。
☆神奈川エリアの女子校で聖園女学院が今年も好調か。締め切りはまだまだ先だから、これからなのだろうが、2次の4科入試の応募者はすでに昨年を上回っている。応募者の数を変えるとか、試験日の名称を変えるとか、生徒募集戦略の技術的なこともあるかもしれないが、おそらく純粋にクオリティの高い教育に共鳴して集まっているのだと思う。
☆学校説明会に足を踏み入れたときに、受験生と保護者は、自然教育空間に誘われる。EU議会や国連、パリのユネスコに訪れたときに、共通して気づくことは、空間の随所にシンボルがあるということだ。そのシンボルからは、もちろん平和と崇高な魂を感じ取ってほしいというメッセージが投げかけられる。
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☆クオリティスクールはCCP based Schoolのことなのだとすると、学校説明会やホームページでわりと簡単に判断できる。たとえば、海城学園の生物部は、休耕田復田作業を行っているとHPで発信されている。そしてこう書かれている。
* CCP=Creative Communication Project
「田植え」「稲刈り」といった体験はやろうと思えばできますが,「水田を復元する」という作業はなかなかできなのではないでしょうか?
☆農村体験をするところはたくさん確かにある。手を使って自然に触れるわけだ。つまりHands-on段階。しかし、海城学園の生物部員は、水田を復元するためにどうしたらよいかを考える。創意工夫までいかなければこの作業はできない。
☆創意工夫は思考と作業という行為の両ベクトルを広げることになる。その合力であるクリエイティブ・コミュニケーションは全開となる。ホームページを丁寧に読めば、このようなプログラムが満載なのが海城学園なのである。クオリティスクールであるのがわかるだろう。
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☆クオリティスクールをクオリティスコアと偏差値(大学進学実績)の座標系で記述してきたが、どうもシンプルではない。いろいろなところで説明しようとすると、それだけで相当時間が費やされるから、つい座標とスコアのグラフをパワーポイントで映すだけで、説明が不十分なまま終わってしまうことが多かった。
☆もっとシンプルで、だれでも使えるクオリティスクールの考え方はないか昨年中うだうだ考えてきた。二次元から三次元にして考察してみたりしたが、さらに複雑になってしまった。それに、偏差値を使わないで表現する方法はないか・・・などなどと・・・。
☆年末年始にかけて市場という視覚から私学をみれば、何か気づきがあるかもしれないと思い、「受験市場から教育多層市場へ」についてと題して考えてみた。実際に昨年、小学校低学年の生徒、中高生、大学生、教育産業のスタッフ、私学の先生方々と研修や勉強会を通じて、それぞれの立場をそれぞれの市場においてみて、その違いを抽象的に整理しようとしたが、結果的に複雑になってしまったかもしれない。
☆しかし、そこでCCP(クリエイティブ・コミュニケーション・プロジェクト)なるシステムが十全に働くことが重要だということだけは再確認できたように思う。
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一日一言 新渡戸稲造【036】のつづき。
☆1月7日 意志は運命を拓くもと
・・・・・・孟子も「求むれば則ち之を得、捨つれば則ち之を失ふ」と言った。「門を敲けば開かれる。求むれば必ず与えられる」とはキリストの言葉である。
☆孟子、キリスト以外にナポレオンについても言及している。「彼は意志を乱用した傾向はあったが、確かに大英雄であった」と。
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受験市場から教育多層市場へ [14]のつづき。
☆中学受験のシーズンに突入するため、このシリーズはまだまだ途中だが、今回でいったん終えることにする。
☆受験市場の中でも、私立中学校一貫校の入試問題を深く眺めれば、私学市場とカップリングできる接点が見いだせる。
☆教育市場も、「知識基盤社会」がいまだ言葉だけで20世紀型社会構造とパラダイムが変わっていないということに気づき、本来想定されている「知識基盤社会」にシフトすることを支援するというスタンドポイントに位置すれば、私学市場とカップリングできる接点が見いだせる。
☆政策市場も、学習指導要領が、まだまだ国際社会が進めている本来の「知識基盤社会」形成の知に対応していないことに気づけば、私学市場とカップリングできる接点を見いだせる。
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受験市場から教育多層市場へ [13]のつづき。
☆家族市場の発展途上であること。私学市場がまず家族市場とカップリングを進めることなどについて語ってきた。
☆不思議なことに、あるいは当たり前なのかもしれないが、市場に商品が並ばなければ、法律にもならないし、学者によって研究もされない。つまり政策者の目にも、専門家の目にも入らないのだ。
☆しかし、世界というのは政策者や専門家が見える範囲内であるはずがない。いや、今までの日本社会はそれでよかったのかもしれない。新型インフルエンザの水際政策や専門家の混乱、私学の生贄的な儀式は、何を映し出していたかというと、まさに政策者や専門家の視野を超えたところに世界は広がっていること、そのことを先に知り活動しているグループに私立中高一貫校があること。ガラパゴス的政策者と専門家の姿と事件は会議室で起きているのではないのだと独自のルートで活動している公共的私学人の姿があったわけだ。
☆そして完全にマスコミは、本来の公共的視点をどこかに置き去り、ガラパゴス的政策者と専門家の視点で私学人をスケープゴートととして映し出した。
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一日一言 新渡戸稲造【034】のつづき。
☆1月5日 虚心
一 心に物ある時は心せばく体窮屈なり。物なき時は心広うして体胖(ゆたか)なり。
一 心に我慢ある時は愛敬を失ふ。我慢なき時は愛敬そなはる。
・・・・・・・・・
☆山上の垂訓ではない。徳川家宣の言葉の引用のようだ。
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受験市場から教育多層市場へ [12]のつづき。
☆さて、現代家族の4タイプそれぞれが内包する問題について考えてみたい。まずはコンサバティブ家族。
☆現状の社会体制(この体制がいかなるものかこれはこれで膨大な議論が必要ではあるが、私たちの身の回りの社会環境のイメージを共有しているという前提で)や秩序に不平不満はあるし、ストレスもあるが、それに打ち勝って、現状の社会体制の中で勝ち組として自己実現を持続可能にする最小の単位の組織としての家族。これがコンサバティブ家族だとしよう。
☆この家族では父親が、家族のメンバーの自己実現のロールモデル。父親のこのロールモデルとしての自己実現のパフォーマンスが強く、それを支えるのがまた母親とする。そして、子どももこのロールモデルを受け入れている場合、典型的なエディプス問題が生じる。解決できれば勝ち組に近づくし、できなければ負け組。しかし、自らもコンサバ的な子どもは、この結果を受け入れるか、リタイアするか・・・。
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受験市場から教育多層市場へ [11]のつづき。
☆家族の終わりの話をしてきたのだが、終わりとは20世紀型家族のあり方が変わるということだ。家族とはすでに制度になっている。したがって、新たな家族形態は、制度改正によって形成されるというか、回収される。
☆制度改正は、当然経済になるわけであるから、この不況を脱するためには必ずシフトするのは論理的に必然なだけで、予言でもなんでもない。単純に税金を夫婦あるいはカップルから確実に回収できれば財源確保はOKなのだ。
☆しかも相続税や贈与税の問題もある。結婚しない、子どもを生まないということになれば、現行法の民法や租税法、社会保障法、労働法、医療関連法規、不動産や賃貸契約関連法規では、税金をうまく回収できない道を作ってしまうのだから、家族の終わりをきっかけにすべての法改正を次々と行っていく・・・・。フランス万歳!民主党万歳!とばかりは言っていられない・・・。
☆しかし変わらざるを得ないのだ。理念なき市場に代わる新たな市場の形成のために。しかし、そうなるとすぐに規制強化という話になり、しばらくすると規制緩和・・・。結局パラダイムの変化を減速させることにもなりかねない。
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一日一言 新渡戸稲造【033】のつづき。
☆1月4日 日頃が大切
・・・・・・男が一度決心した以上は、生命を投げ打つ覚悟がなければならない。これは自暴自棄とはまったく異なる。日頃より、心を清め身を洗い、名誉に身をささげているからである。
☆決心したことが基準になる。その基準が右顧左眄しながらコロコロ変わるのでは困る。「生命を投げ打つ覚悟」というのは普遍的ということだろう。自暴自棄とはなるほど違う。
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受験市場から教育多層市場へ [10]のつづき。
☆家族市場について、従来はあまり論じる必要がなかった。そのほとんどがコンサバティブ家族で、偏差値と大学進学実績を指標として、日本という国に同化できればよかったのである。
☆だから、栄光学園のように入学後、生徒ばかりではなく保護者に対してもその考えのチェンジを説く会合を設定していた。
☆もちろん、できればクリティカルな家族を中心にネットワークを形成したいのが私立中高一貫校の本意であろう。教育理念に照合するとそうなるのだが、学校の教師が、必ずしも教育理念を行動原理としているわけではない。だから理念と現実がかい離している学校もあるだろう。
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受験市場から教育多層市場へ [09]のつづき。
☆家族の終わりの過程(前回の話題)は、欧米では法制度的にすでに進んでいるが、日本は政権交代をきっかけにこれから始まるかもしれないという段階。
☆しかし、社会ではすでに先行していて、それがゆえに現状の制度基準と新たな動きとの間でズレが起き、自己責任の名で、そのズレに悩む個人は自分で対処・乗り越えねばならない段階。このズレは、しかし、多様多層な葛藤を生み、事件につながる場合も多い。
☆この葛藤を解決したいという現実がそれをニーズとみなして家族市場が形成される。市場というのは問題解決の場であり、市場が双方向性の特徴を有しているがゆえに、その草創期にあっては、クリエイティブ・コミュニケーション・プロジェクト(CCP)の力が発揮される。
☆しかし、その市場が倫理なき市場の場合、CCPはすぐに消失し、抑圧的で操作的な市場と化する。市場も草創期→成長期→衰退期→死滅期というサイクルに従う。それはあたかも里山と人間の関係のようでもある。要は、クリエイティブな行為の正当性と信頼性、妥当性が常にクリティカルな議論によってチェックされなければ、「終わる」のである。
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受験市場から教育多層市場へ [08]のつづき。
☆受験市場や教育市場から私立中高一貫校を見た場合、どうしても積極的に語られない市場がある。それは家族市場である。
☆19世紀末から20世紀初頭にかけて、神は死んだ、西欧の没落などという思想が語られた。20世紀末から21世紀初め、つまり今日にかけて、歴史は終わった、人間は終わった、アメリカは終わったとフランシス・フクヤマは語った。
☆フクヤマに限らず、価値は相対的になり、基準は不透明になり、大きな物語は喪失したというのが定説になっている。帝国から国家、国家から個人へと近代は突き進んでいるから、当然と言われればそうなのだが、こんな崩壊の過程でよいのだろうかという時代の雰囲気も一方である。
☆なぜなら、世界や国家の葛藤や崩壊するのではないかという出来事が、家族という身近なところでも起こっているからである。
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一日一言 新渡戸稲造【032】のつづき。
☆1月3日 決心の実行
昨日結んだ紐が、今日早くも緩むのを見ていると、明日はすべて解けてしまうのではないかと心配する。・・・・・・・毎日毎日決心したことを思い起こして心を引き締めれば、おのずと結果はついてくるものである。
☆自分との約束を守ろうということなのだが、そんなことはなかなか難しいと。だから毎日毎日確認せよと。
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一日一言 新渡戸稲造【031】のつづき。
☆1月2日 決心の持続
今年の秋は雨か嵐か予測できないが、いつも努力を持続するなら一年のうちに越えられない坂はないし、渡れない河もない。・・・・・・
☆勤労・勤勉・倹約、あるいは刻苦勉励せよということではある。道徳的な精神を奮い立たせば、為せば成ると。
☆道徳と認知はある程度相関があるのかもしれない。高い道徳の持ち主は、高い見識や知を活用できるひとでもあるのか。
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受験市場から教育多層市場へ [07]のつづき。
☆さらにある盟友が、大笑いしながら、慶應大学総合政策学部の2008年の小論文の問題を提供してくれた。「おじさんの日頃のこだわりが、凝縮していて、ちょっと慶應的ではない問題だと思うけど、こだわりが役に立つと直感できるような問題だよ」と。
☆次の4つの資料を読んで、2つの問いを考える問題。
資料1 カント「教育学」から
資料2 J.デューイ「学校と社会」から
資料3 ハンナ・アーレント「過去と未来の間―政治思想への8試論―」から
資料4 「日本語」谷川俊太郎編から問1 教育する者と学習する者の関係について、資料1・2・3のそれぞれから読み取れるカント、デューイ、ハンナ・アーレントの考え方は、どのような点で共通し、どのような点で食い違ったり、対立したりしていますか。900字以内で記しなさい。
問2 教育する者と学習する者の関係をめぐって、資料1・2・3を参照しつつ、資料4についてのあなたの考えを600字以内で記しなさい。
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受験市場から教育多層市場へ [06]のつづき。
☆前回、大学入試問題を突破するのに、CCP(クリエイティブ・コミュニケーション・プロジェクト)のプログラムが役に立つという話を紹介したが、メールのやり取りである私立中高一貫校いくつかが、3月ぐらいまでにコンパクトにまとめようという話になった。その打ち合わせにひょうこり参加してもよいという話にまでなり、新年早々ワクワクしている。
☆中学入試問題も実はそういう面白さ満載なのだが、雑誌や新聞のメディアの方々と話しても、全く視点が受験市場的で、目の前の販売部数のほうが気になって、興味を持ってもらえなかった。なにせ中学受験問題といえば、テレビでやっている知識問題だと思っているのだ。番組的にはわかりやすいし、視聴率もあがるかもしれないが、本質的では残念ながらない。
☆しかし、大学入試問題と中学入試問題が直結しているのだという話に広がる今回の話は少しは興味を持ってもらえるかもしれない。受験市場ではなく、あくまで私学市場の視点で、見えるとどうなるか?という視座はなかなか興味深いとは思うが。
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受験市場から教育多層市場へ [05]のつづき。
☆CCP(クリエイティブ・コミュニケーション・プロジェクト)という名称で、プログラムを組んでいる学校はない。この名称はあくまでも私立中高一貫校のプログラムを見て、CCPになっているかどうかを評価する言葉である。自己実現プログラムとか、キャリアデザインプログラムとかはその対象になるが、実は教科の授業そのものがCCPになっている場合がある。
☆ただし、その場合、1人の心ある教師が取り組んではいるが、学内の他の教員がその価値を認めていないケースもある。そんなときはその心ある教師は孤軍奮闘し、満身創痍になるが、そもそもそんなことは百も承知で実践しているために、自分の心の痛み以上に子どもたちの未来が痛むのが耐えられないという思いの方が勝ってしまうのだ。
☆それはCCPを実践している学校も同じことが言える。受験市場では、そんなことより大学進学実績を出さないと偏差値があがらないよと煽られながらも、鴎友学園女子のように、CCPの道を歩む学校があるのだ。誠の道以外にどんな選択があるのかと。
☆その勇気と気概に触れるたびに、頭が下がるし、なんとか応援したいと思うのだが、いつも非力な自分の存在に気づき、情けない気持ちで一杯になる。私ができるのは、CCPを行っている教師や学校を紹介していけるだけである。
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一日一言 新渡戸稲造【030】のつづき。
☆1月1日 初めの一歩
踏み出した一歩は、もう道の半ばまで来たようなものである。何事も最初の一歩が大事である。花はすでに芽の中にあり、人の性格は三つ児から始まる。今年の事業は今日の決心の中から起こるものである。
☆「花はすでに芽の中にあり」とは、なんてエコな話なんだろう。
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