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クオリティスクールの新コンセプト[043]教育学者も政策者も麻布の入試問題を見よう

クオリティスクールの新コンセプト[042]東京・神奈川中学入試始まるのつづき。

☆本日14時30分、麻布の入試問題がワンセット500円で配布された。このような問題を解くには、原理を徹底して考える学びの習慣と開放的精神と批判的思考と自由とは何かを問う視点が必要である。

☆つまりは、麻布の教育理念そのものの理解の深さが問われているわけだが、学力の基礎とはこういう問いかけができることだろう。実に示唆的で、このような問題が解ける学習指導要領の創意工夫こそ日本の教育改革では必要だし、このような問いかけができる教師の育成こそが教員養成の大学の役目である。

☆日本の教育を考える上で、これほど重要な問題はない。マスコミの皆さま、500円で日本の教育を変えられるのだ。大騒ぎして欲しいものである。

☆算数は、数の原理と幾何学の直感。分割と統合と変容のイメージ力が問われる。それにしても手を動かすことと脳内活動の併用がなんとも興味深い。

☆理科も徹底した原理の追究。心臓と血管の相互関係、原子と分子の組み合わせモデルの基本、磁石のシンプルな同極同士の反発の原理が生み出す現象、皆既日食を素材に天体幾何の計算。どれも記憶力よりも原理と現象をモデルで媒介して考える問題。

☆社会科の問題は今後の観光立国日本の政策提案が問われる根本的な問題。どこが根本的かというと、観光を資本主義を拡大発展させる大量移動の側面から問う問題であるという点。大量移動を果たす過程が、旅行の形態の変容を投影するという仕掛け。

☆大量移動がもたらすひと・もの・かねのダイナミックな動きと変容の歴史を問う問題なのだ。観光は見られる側、見せる側、見させようとする側のその時々の権力関係によって形態を変えるのである。

☆大量消費・大量生産の側から社会の構造を問う問題は多いが、大量移動の側から検証する問題は中学受験ではそうはないだろう。

☆最後の問いは例年通り意見を書く問題。

・・・・・・それについて、君の「日本を知ってもらう観光計画」を考えなさい。まず表題を書き、つぎに内容を120字以上140字以内で説明しなさい。

☆パラグラフライティングまでさせてしまうのである。

☆国語は、支配する側からの自由を追求するキャラクターが、結局はポピュリズムの欲望にからめとられ、自由から脱却を果たせないジレンマにぶつかるまでのストーリー。解放と閉塞の次元で乱高下する心情の変化を丁寧にすべて記述式問題で考えていく問題。

☆薄井ゆうじ著「十二支の童話」の中の「木登り牛」が素材で、7,000字弱の物語を読んだ上で、10問以上の記述問題を考える問題なのである。

☆思考力・表現力・言葉力などと叫ぶ前に、この問題を解いてみれば、日本の教育改革の方向性がぴたりとわかる。教育学者と教育政策者におすすめの入試問題。

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