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クオリティスクールの新コンセプト[049]

クオリティスクールの新コンセプト[048]2月2日検索校のつづき。

☆この時期は受験応援先で、懐かしい友人たちに出会う。ある学校は、九州や関西、東海、北海道からもチャレンジしに来るから、受験生と共にやってきた友人たちとひょっこり出会うのだ。

☆そんなとき、話題になるのは首都圏以外のエリアの私立学校をどう盛り上げるかだ。民主党の子育て支援や高校無償化は、事態を冷静にみれば、私学だ公立だという話にならないが、世論のムードが公立高校贔屓になってしまうのは止められない。

☆マスコミも中学受験を取り上げる件数がめっきり減った。デフレスパイラル、少子化、民主党の教育政策のイメージ・・・。これをどうやって打破するか?

☆苦悩する心ある先生方は、首都圏特に東京の私立学校の先生方と情報交換もいとわないという。そしてそのたびに目から鱗と情報を持ち帰るが、だからといって学内の改革が進むわけではないと。首都圏と同じように合同説明会を行っても盛り上がらないという状況もある。

☆もともと首都圏は私立学校の数が多い。特に中高一貫校としては、全国の私立中高一貫校の50%が首都圏に集結している。

☆だから合同説明会のようなゆるやかな連携はインパクトがある。しかし、私立学校が少なく、公立高校がイメージとしてその地域で優位にある場合、首都圏と同じような戦略はなかなかうまくいかないかもしれない。

☆しかし、デフレスパイラル、少子化、民主党の政策などは、どこからきているかというと、良い悪いは別として、個人の時代から発生しているのではないか。

☆国家主義的GDPには、個人は関心がない。家族形態が崩壊し、個人優先の時代だ。民主党も個人の関心をひきつける政策を立てざるを得ない。

☆そういう意味で、首都圏以外のエリアで公立優位の地域は、この風潮に合っているのである。つまり、何が優秀かはともかく優位にたっている公立高校は、実に個人が重視されているのだ。他の公立はやはり個人は抑圧され、規制が重視されがち。だから公立間の比較優位が成り立っている。

☆そこに私立学校が連帯しても、外見上は個人主義の流れに合っている優位な公立高校に生徒が集まるのは市場の原理上当然だろう。

☆首都圏では、優位な公立高校が私立学校に圧倒されているから、その流れが緩慢なのだ。しかし、さすがに、この状況下では、安穏としていられないという危機意識はすでに相当強い。

☆これからどうするかという議論があちらこちらで起きている。ゆるやかな共同態を今春から強化する戦略も練られているが、しかし本物志向で各校の個性を徹底的に実現し、表現しようとしている動きがある。

☆キャリアデザイン教育が国家規模で展開されているが、ある意味この動きは仕事・職業をフラット化し相対化する。国家規模はどうしても平等重視になるから理屈上そう予想できるだろう。

☆すると、個性的なものが魅力的になるのだ。ただし、真に個性的でなければならない。自らの道を進むことが世界に到達することだという伝統的個性でなければならない。たんなるリバタリアンであればよいというのはたぶん世間が受け入れないだろう。もちろん一時の流行はありうるだろうが、それは教育では想定し難い。

☆教育領域であっという間に広がるのは「校内暴力」とか「学級崩壊」とか「希望格差」とか、ネガティブな現象とその名づけの負の相乗効果ばかりだ。

☆そういうネガティブな状況に、たんに楽観的ではなく立ち向かう意志と信念こそ大事で、それが≪私学の系譜≫なのだと思う。気概こそ私学の道ゆきであり、地方分権をけん引する役目はそこにあるとも思う。

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