クオリティスクールの新コンセプト[056] 入学手続きの結果
クオリティスクールの新コンセプト[055] 中学受験はまだ続く ②のつづき。
☆幾つかの私立学校の先生方から手続き状況について話を聞くことができた。生徒応募者数は昨年以上でも、実際に入学手続きをした生徒の数は、昨年を下回り、厳しい入試だったという感想が多いか。
☆「受験生の数が横ばいとか増えたということはおそらくないだろう。」「本当に選ばれる時代がやってきた。」「もっともっと本物の私学の教育について表現していかなくては。」「口コミを大切にしていかなくては。」「体制を少し変えようかと思う。」とか・・・すでに来春に向けて、戦略ミーティングがどこの学校でも行われている。
☆そんな中、今年5年目を迎えるある私立学校では、「やっと入学できました」と喜びの声を聞くことができたという。新設当時の説明会から欠かさず参加していた生徒が今年受験する歳を迎えることができたのだ。
☆ここまでのファン層がいる限り、この私立学校の教育の質はさらに向上するだろうし、先生方も、そうしなければならないと決意を新たにしていた。
☆そしてこういう私立学校もある。辞退者を待っている受験生がたくさんいる学校である。目立たないし、塾が大注目しているというわけでもない学校であるが、教育理念について経営陣が毎週のように議論し、夏休みの教員研修でも、議論をして自己評価を厳しく行っている学校である。
☆理念の現代化に余念がない学校とでも言おうか。そしてまだまだ改革するところはあるんですよねとポジティブに批判的議論をしている姿は、なかなか頼もしい。
☆とにかくこの学校の議論は、ヨーロッパのリベラルアーツというか、ソクラテス以来の伝統をくんでいるから、筋金入りなのだ。
☆生徒募集には紆余曲折あったが、結局オープンシステムとディスカッションシステムを徹底しているから、おのずと進学実績などの結果も出る。保護者も何かと参加し盛り上げるファミリー学校。
☆私も長い間お付き合いしているから、いかに本物が強いか経験的によくわかる。シスターばかり30人以上いただろうか、修道院に泊まり込みでミーティングをやったこともあった。ものすごく緊張した。
☆先生方とのワークショップも、アイデアがたくさんでたし、それでいて実行プランをどうするか真剣に議論している姿勢に驚愕もした。
☆福沢諭吉の文明論之概略で、議論の本位が大事だとあるが、この学園はそもそもそれが理念なのだ。
☆議論の雰囲気、それは創造的雰囲気だし、何を行うかを決断するための拠点でもある。今年はあらゆる私学で議論がわきおこるだろう。
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