クオリティスクールの新コンセプト[060] 中村 不死鳥は飛び続ける
クオリティスクールの新コンセプト[059] 聖園女学院に期待のつづき。
☆2006年に不死鳥のように飛躍した中村中。今年も天空を飛んだ。梅沢辰也教頭によると、出願者は微減ではあったが、良い入試が完全実施できたという。
☆この「完全実施」とは、
①実質倍率が高い。
②定員を充足する(今年は募集定員を少し超えている)。
③併願校のレベルが上昇する。
④受験生のレベルも上昇。
⑤第一希望の生徒が高倍率の特待生入試にチャレンジし、手続きする。
☆以上の点が、いわゆる広告費を「0円」にし、一切受験雑誌等に出ることなく、しかも「学校に来て、説明を受けていること」を出願条件にするという英断をした2010年入試に向けての準備=戦略によって、完全クリアできたということを意味しているのではないだろうか。
☆しかし、戦略にはハートがないとダメだ。中村中の生徒獲得戦略は、他の逆を行く梅沢教頭のマーケティング右脳によってイメージされる。マネジメント左脳だと常識をよりどころにするが、右脳型は、受験生・保護者と共感することをつくりだそうとするのだ。
☆もっとも、先にあげたクリア項目は、梅沢教頭の戦略的マネジメント左脳が稼働している。しかし、ベースは右脳。だから、入試当日まで、中村中の先生方は、受験生・保護者と1人ひとり眼と眼をみあって対話し、励まし合いながら歩む1年となるのだ。だから、頑張ってねという上から目線ではなく、「眼」張ってっくださいという互いに信頼を確認する関係ができあがる。
☆この信頼をしかし、全員が中村中で果たすことはできない。高倍率を超えなければ、共にすることはできないからだ。だから、受験生の立ち姿はおのずと良くなる。「背筋がピンとしていて力強かったです。目にも力があり、頼もしささえ感じました。」と先生方は感じ入る。
☆そして、入試という一期一会の瞬間を迎えなければならない。合格発表や手続きのときに、先生方と受験生・保護者は共に涙し、共に笑うシーンが待っている。「良い入試」はこのときのジレンマで極みに達するのだろう。
☆大事なことは共にいても離れていても、信頼という感性を体験できることなのだ。道はそれぞれ違っていても、信頼からスタートできるデフォルトを生産できた受験準備は、子どもたちの未来を必ず拓くだろう。
☆受験市場と私学市場のカップリングのヒントは、ONE TO ONEを心がけている中村中学校1人ひとりの先生方のフェニックス・マインドにある。
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