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クオリティスクールの新コンセプト[066] 八雲学園の未来性

クオリティスクールの新コンセプト[065] 女子御三家のResponsibility ?のつづき。

☆今年の八雲学園の生徒募集戦略も成功のうちに幕を閉じた。応募者総数は前年対比94%であるが、1,832人とそもそもが多い。定員146名で、入試を4回実施ているから、1,752名以上集まれば定員は質量ともに充足する。

☆だから、今年も手続き者は若干定員を超えている可能性がある。それにしてもなぜこれほどの人気があるだろう。

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☆たしかに、教育の4つの特徴である「英語教育」「進路指導」「芸術鑑賞」「チューター方式」が破格に充実しているからであるし、校舎がリニューアルされたからである。がしかし、そうシンプルな理由で人気が出るのならば、どこの学校も苦労はしない。

☆八雲学園の奥義は、創造的コミュニケーションにあるのだ。学校も教師も生徒も、コミュニケーション能力は高いが、それはたんじゅんにスキルの水準が高いというだけではない。クリエイティブなのである。

☆欧米はすでにクリエイティブクラスの時代に突入し、その時代認識において日本は圧倒的に遅れをとっているが、私立学校は、世界の舞台で活躍する(いやサバイバルできると言った方が正しいだろう)人材育成が≪私学の系譜≫として脈々と続いているから、照準が日本のガラパゴス社会という内閉志向ではなく、世界志向である。

☆特に八雲学園の理事長・校長であり東京私立中高協会の会長でもある近藤彰郎先生は、「子どもたちは、生まれてくる時代を選べない。しかし、時代を創ることはできる。」という気概の持ち主である。

☆そのために生徒が創意工夫できる機会をたくさんつくっている。それが4つの特徴に集約されているわけだが、昨年・今年と校舎をリニューアルするときにも、その創造力を大いに発揮している。

☆なにせ本校舎を壊さずに、仮校舎もつくらず、同じ場所で同じ校舎を新築同様にリニューアルするという前代未聞の創意工夫を行ったのである。耐震構造を1つの目的にはしているが、その痕跡を見せずに、あくまでも成長期に合わせた心地よいそしてアフォーダンスよろしく空間が知的刺激を与えるように設計されている。

☆近藤校長は、設計者や建設会社と教師を交え徹底的に議論をし尽くして、創意工夫のアイデアを引き出した。そして議論や建築のプロセスを生徒に伝えもしている。

もうだめだと中途半端な所であきらめたり、投げ出したりすることはないでしょうか。壁にぶつかった時にも、やるべきことを模索し、創意工夫しつつ試行錯誤を重ねてゆくことこそが大切です。必ず自分自身の新しい可能性を発見することができます。

☆この近藤校長の言葉は、リニューアル工事について生徒に説明するときに話されたものだ。建築とは、人間づくりにも重なる優れたメタファーになるものだが、今回は前代未聞の創意工夫を、議論と試行錯誤の中で生徒の目の前で実現したわけであるから、壁を乗り越えるイメージの共有をうみだすのには最適な表現になったわけである。

☆八雲学園の最大の特徴は、この「いま・ここで」に至ったプロセスの重要性の気づきとそれを未来につなげる創造的コミュニケーションで満ちていることである。

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