クオリティスクールの新コンセプト[071] 東京神奈川が語る私立中高一貫校の魅力 了
クオリティスクールの新コンセプト[070] 東京神奈川が語る私立中高一貫校の魅力③のつづき。
☆東急線・みなとみらい線で通える私立中高一貫校」合同相談会の近藤彰郎先生(東京私立中学高等学校協会会長、八雲学園中学校・高等学校 理事長・校長)と工藤誠一先生(神奈川県私立中学高等学校協会理事長、聖光学院中学校・高等学校)との対談で、なるほどと思ったことを書いておきたい。
☆なんといっても気概を感じたのは、私立学校の意義を認めない動きには、東京と神奈川の私学は一丸となって闘っていくのだという権利の闘争の姿勢を明言したことである。
☆私学の意義を否定するとは、多様な価値観や選択の機会を排除するということを意味することであり、そんな排除型社会は、子どもたちの未来を決して幸せにするシステムを作れないであろう。
☆また私学は常に時代の要請、保護者の要請、そして何より子どもの要請を受けとめ、改革に努めなくてはならないと責任の重大さを表明された点もグッときた。
☆そしてそういう改革への挑戦をしている学校であるかどうか見分ける具体的な方法として、事務局の様子が見える受付窓口に実際に訪れたり電話をしてみたりすることを勧められていた。コミュニケーションの力が高いかどうかその対応からすぐにわかるという。たしかに改革への意欲の高い学校は、教職員すべてのコミュニケーション能力が高い。
☆入試問題を見ることも勧められた。学校の学びへの意欲が最もよく表れているからであると。教師の知性と見識が問われることに自信をもち、同時に覚悟の気持ちが伝わってきた。保護者に学校選択眼を持つように私立学校側から提示するということは、これからもどんどん行った方がよい。塾側の見方に偏っているのが受験生の親の現状だろう。私学市場からも積極的に提唱されることによって、保護者は、受験市場と私学市場の選択複眼を養え最適な視点を持てるようになる。それは市場の活性化につながるだろう。
☆それから忘れてはならないことは、子どもたちにとっての私学の意義である。コミュニケーションの真髄は、教師が率先して創意工夫に挑むことだという。このチャレンジ精神や姿に触れながら子どもたちは、人生で壁にぶつかったときそれを解決する基準を自分のものにしていく。その基準を心の座標軸をいうのだと。
☆公立学校では、内なる普遍的な物差しを喪失している子どもたちの問題性を感じながら、この心の座標軸である教育理念を回復できないで困っている。公立学校の限界は、日本の教育制度の限界を意味しているが、私立学校がその限界を乗り越える学びの場であることを、近藤先生と工藤先生との対談が解き明かした。
☆3月は、卒業と入学の交差する「とき」である。子どもたちの成長の道の転回点でもある。その選択を自ら判断できるチャンスがあること。これこそ世界の子どもたちに目を向けると、本当の平和構築の1つの、しかし大きな方法でもある・・・。
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