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2010東大合格発表シーズン⑤ 聖光・浅野も増えた・・・。

2010東大合格発表シーズン④ 駒東・渋幕・暁星国際・江戸取のつづき。

☆「サンデー毎日2010年3月21日号」によると、聖光学院からの東大合格者は65人。浅野は34人。両校とも昨年よりかなり増えた。

☆何か今までとは違う特別なことをやったというわけではないだろうから、東大受験への欲求やモチベーションが学内で盛り上がっている雰囲気があるのだろう。

☆開成は、154人。麻布は82人。桜蔭は60人。栄光は56人。多少増えたり減ったりしているが、安定した合格者数。

☆日比谷が35人で、名門復活などと同誌では表現している。しかし、この長引く不況で、地元志向が強いので、首都圏からの東大合格者が多くなっているという考え方も紹介している。

☆原因・理由はそう単純ではないだろうが、急激に増えている学校の特色と日比谷の躍進はある種共通点があるかもしれない。日比谷は明らかに進学重点校として、東大に入ることを目標にしているわけだ。

☆聖光や浅野も、そのような動きがないとは言えない。ただ、聖光はカトリック校であり、情操教育や聖書教育をきちんと行っているし、工藤校長自身、心の座標軸を内在化できるように教育していると言っている。つまり、理念を大事にすることが明確に自覚されている。

☆浅野の場合も、創設者浅野總一郎(開成出身)の精神を大事にしているから、日比谷とは若干違いはあるだろうが、教育理念の現代化を聖光のようにプログラムとして見える化しているわけではないから、結果的に日比谷に近い雰囲気もあるかもしれない。

☆そういう意味で、私立中高一貫校から東大に入った学生がすべて、理念を大事にしながら学問を追究していくというわけではないだろうが、その可能性が高いという期待は持てるのではないか・・・。

☆同誌のデータでは、東大合格者の判明分はまだ83.1%で、武蔵や女子学院、フェリスなどは公表されていない。だから今のところの東大合格者の私立学校の占有率は50.2%。しかし最終的には60%以上になるだろう。

☆東大初総理である加藤弘之の思想は、富国強兵・殖産興業をまい進させる優勝劣敗思想。これが近代官僚日本の人材の基本的な価値観をつくってきた。それに対し戦後の南原繁や矢内原忠雄に代表されるように、内村鑑三の≪私学の系譜≫の思想も東大の中にはある。

☆この≪官学の系譜≫と≪私学の系譜≫の両方が東大の中には、はじめからあり、その思想的対峙や葛藤があることが、矛盾であると同時にそれが日本社会のリスクマネジメントとして作用してきた。

☆本来は≪私学の系譜≫を前面に出しながら、東大と同じレベルの大学が日本にあればよいのだが、今のところそれはない。京大があるじゃないかと言われるかもしれないが、地理的な違いや進路先の違いはあっても、価値観やパラダイムの相違はそれほど大きくない。

☆≪官学の系譜≫とは何も官僚になることを意味しない。企業でも官僚的体質の組織はまだまだ多い。おそらく同根なのだ。それなのに無理やり違いを見出そうとしてきた。ガラパゴス日本社会の中での違いであり、国際社会においてどこが違うのかははっきりしない。

☆同誌の取材の中で、代々木ゼミナール入試情報センターの本部長が、東大でなければならない理由が見つけられなくなっているのではないかと語っている。この流れはすでに開成学園の中でも生まれていると同学園の教師から聞いたことがある。

☆そのような時代に東大それ自体を目標にする学びにどういう価値があるのか本当のところはよくわからない。3,000人ぐらいの定員の奪い合いにあまり意味がないことは世界標準の物差しをあてればすぐにわかる。

☆東大が頂点にあり続けるということは、教育は国家から自由にならないということでもある。≪私学の系譜≫はそれに対峙してきた。麻布のおもしろさは、東大の中で時代を変えようとする進路を選択する生徒と東大以外で時代を変える進路を選択する生徒のバランスがよいことだ。

☆東大に入る力が十分ある麻布の生徒が、私大に進むことを選択する場合もある。特待生制度を活用して、4年間学費免除の道を選ぶわけだ。国立より私大に進んだ方が学費がかからない道を選ぶ。もし法曹などの道に進みたければ、何も東大に行く必要はないのだ。もしベンチャーをやろうとするならば、ますますそうだ。

☆研究者になろうとした場合、学閥の問題はどうなのだろうか。かつてのように学閥みたいなものがあると言えばあるだろうし、ないといえばないだろう。要するに本人の問題なのだ。

☆大事なことはサバイバルスキルとクリエイティビティ。規制の中であるいは鉄鎖の中で、自由の時空を取り込める人材がたくさん生まれ出でることがポイントである。彼らは、規制を解き、鉄鎖の呪縛からやがて脱することになるだろう。もちろん、そのときの自由が、古典的な自由なのか、社会主義的自由なのか、リバタリアン的な自由なのかは問題になるが・・・。

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