2010東大合格発表シーズン⑪ 渋幕の躍進の意味
2010東大合格発表シーズン⑩ 科類別に映る学校の雰囲気のつづき。
☆今年の渋幕の東大合格者数も増えた。なぜだろう。おそらく学内では二重構造なのだと思う。学校説明会で田村校長のスピーチに酔い、素晴らしい学校だと実感して選択するケースが多いと言われている。
☆しかし、考えてみれば、田村先生は創設者である。新興勢力の私立中高一貫校として存在しているから当たり前であるが、創設者は歴史的存在でもある。同時に現校長であるから今ここでリアルなリーダーである。
☆歴史的非リアルな存在とリアルな校長としての二重構造は、そのまま学内の教育システムにも反映しているだろう。
☆理想と現実。東大合格者数激増は、非リアルな創設者の精神にとってあまり興味がないはず。しかし、現場では喫緊の課題なのである。創設者が非リアルな存在となった時、そこから理想と現実の乖離がおこるのは世の常である。
☆乖離は停滞と衰退を生みだす。そのストッパーとして、千葉エリアでは東大合格者数は50人ぐらい必要なのではなかろうか。学校の成長モデルとしてそれはセオリーであろう。
☆そういう意味では成熟安定内生的進化に至るにはもう一歩。つまり躍進はまだまだ続くのだろう。良し悪しは別にして・・・。それにしても田村校長は生徒にいつもこんなふうに語っている。
昨年はチャールズ・ダーウィンの生誕二百年であり、又名著「進化論」出版の百五拾年でもあった。ダーウィンがピーグル号の航海で進化の着想を得て、発表まで実に二十年以上かけている。その熟慮の結果出来上がった考え-すべての種は進化し枝分れして出来る-の正しさは、例えばDNAの研究成果の進展で立証されたヒトとチンパンジーの遺伝子の差は1.2%しかないといったことや枝分かれの時期も特定出来ることからも立証されている。そしてこの枝分かれ=変異は通常生物の中にため込まれているが、その中のあるものが環境が変わった時などの刺激で働きだすとも考えられている。南極にいる海水0度以下でも血液が凍らない魚やオペロン説リブレッサ作用の大腸菌の働きはその例である。 現在の大きな教育の変化の時こそ、生物ヒトの持つ膨大な多様性と変異の能力を信じて、しっかり働きかけていこうと考えている。 自調自考生どう考える。(えんじゅ227号校長講話から)
☆「自調自考生」と渋幕の生徒に向かって思いきって言いきれる校長は、これから現れるのだろうか。話の内容も一流だが、ビジネスマンとしても凄腕ではないだろうか。もともと「自調自考」は武蔵の理念。でも今では、だれもそうは思わないだろう。
☆武蔵の最近の目立たなさは、渋幕のブランディングに負けたということなのだろうか・・・。
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