2010東大合格発表シーズン⑬ 巣鴨の東大合格者推移
☆今年の巣鴨の東大合格者数は、芝や攻玉社と比べてそん色ない。この3つの私立男子中高一貫校は、それぞれの特色があって、教育力もある。しかし、東大合格者数の推移の比較グラフを見ると、不思議な感じがする。
☆一時期灘中のある教師が、巣鴨の躍進を歓迎するというエールを送っていた時期もあったが、今ではそうではないだろう。たしかに東大に合格させるのが教育の目標ではないから、芝や攻玉社ぐらいの東大合格者数がバランスの良い教育なのであるかもしれない。
☆ただ、巣鴨の教育も芝の教育も攻玉社の教育も創設の理念を継承してきているから、そんなに変わってはいないはず。教育力に大幅な変更がないのだから、東大の合格者の実績も大幅に変化はないはずと考えてしまうのは間違いだろうか。
☆もしかしたら継承の仕方が三者は違うのかもしれない。不易流行といっても、「不易」に力点を置くのか「流行」に力点を置くのか。巣鴨はやや「不易」に、芝は「不易」と「流行」の均衡に、攻玉社はやや「流行」に力点を置いているという違いがあるのかもしれない。
☆時代の要請をどのようにとらえるかによって、そのバランスのとり方が違うということだろうか。教育理念を背負うのか、批判的に検討するのか、現代化するのか、理念を引き受けた以上、理念問題を避けては通れないのが私立学校の宿命。実に奥深い・・・。
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