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クローズアップ現代「よみがえる“経営の神様”ドラッカー」

☆昨日(3月17日)のクローズアップ現代(NHK)で、ピーター・F・ドラッカーの特集が組まれていた。「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 岩崎 夏海 著 ダイヤモンド社(2009.12.4)」が男女問わず幅広い年齢層で読まれていて、それをトリガーに番組は始まった。たしかにアマゾンでも本のランキング1位というポジション。むむむ・・・ダイヤモンド社の仕掛けなのか・・・。

☆それはともあれ、「ほぼ日刊イトイ新聞」の特集で、対談をしていた上田惇生さんと糸井重里さんも登場。番組で話された内容は、実はこの特集のなかですでに話されていることの一部だったが、糸井さんは番組の中でも「顧客の創造」について語っていた。

☆つねに顧客に刺激を与え、新しいマーケットを創造するということだったかな。実はあまり意味の正確さは問題ではないようだ。

☆「ほぼ日」では、この言葉を頼りになんとか頑張れた若き経営者の例が出てくるが、大事なのは、

「つまり、すごく魅力的じゃないですか、言葉が。学者として、他と比べて、圧倒的に。小説を読むような感じに近い‥‥と言いますか。」(糸井さんの語り)

☆ということのようだ。だから、ドラッカーから学んだ経営者たちの中には、伝説の経営者と言われたGEのジャック・ウェルチ、インテル創業者のアンディ・グローブ、ソニー創業グループの一人盛田昭夫、プロクター&ギャンブル(P&G)の最高経営責任者A・G・ラフリー、ユニクロの柳井社長‥‥などたくさんいるのかもしれない。

☆もっとも、ドラッカーに学ぶことはブランディングの1つだったのかもしれないが、それだけやはりドラッカーは神様だったということか。

☆NHKの番組では語られなかったと思うが、「ほぼ日」の中で最もおもしろかったのは、上田さんの息子さんの話とドラッカーのお孫さんの生きざまのお話。一般的な人生の道を送れなかった子どもたちの話。何になりたいという目標よりも、社会の中で紆余曲折懸命に生きながら、その中で自分のやりたいことを見つけていく。たしかに破格な生き方だけれど、ドラッカーは2人の子どもたちの生き方の背景にある社会の情況を読み取ってこう言う。

そういうことができる時代になった。

それ以上でも、それ以下でもない。

☆ここには、伯父(ハンス・ケルゼンという偉大なる学者)のイズムに反抗して、実証主義を徹底した若きドラッカーの面影がある。

☆しかし、ケルゼンは、その当時としては実証主義者である。ドラッカーはそのときから未来を見ていて、さらに実証主義を徹底していったということか。

☆それに、ドラッカーの実証主義は明るい。もっというなら未来というイズムがあるじゃないか。「そういうことができる時代」になったということは、「そういうことをしないのはどうなのかな、あなたならどうするのか」と問いかけていることになるのではないだろうか。顧客の創造とは、自分の創造でもあるということか・・・。

☆東大合格云々という横並び競争はやめようよ。そんな過去の知識を振り回す競争より、未来の機会にむかって、もっと先でなにができるか競争してみてはどうだろうと考えてみるのもおもしろいかも。内向きな日本の雰囲気を払拭する明るい未来構想。ダイヤモンド社らしい。いやいや「ほぼ日」らしい。

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