私学人は越境人であるということ
☆3人の私学人にお会いした。いっぺんにお会いしたのではなく、お1人の私学人とお2人の私学人とという感じなのだが、同じ日に、別の場所で別のテーマで語りあったのに、私学人の共通点というのを明快に示されていた。なんとも感動した。
☆3人ともお歳も立場も違うのだが、越境人だし、インタフェースバイザーである。精神的なグローバル意識が覚醒されている方々だった。
☆人間というのは、帝国の支配との闘い→国家の支配との闘い→空洞化した個性との闘いという歴史の大きな流れの中にいる。生まれる時代を選ぶことはできないが、時代を変えることはできるという信念こそ私学人の共通の想いだなぁとしみじみ感じた。
☆生徒募集や入試問題、ことば力や学力の基礎構造ということについて、浅薄な私にとっては、なぜそんな点の話がこんなに重要なのかと思うほど驚くべきエネルギーで語るし、実際に実行されているわけだが、話をお聞きしていると、そこに現代の政治的な問題や教育政策の問題の話をいつの間にかつなげていらっしゃる。あっ、点が面に広がる。
☆そう思ったとたん、≪私学の系譜≫にまで想いは広がり、世界の問題や意識に流れ込む。その学際的物語の展開のダイナミズムに驚いているうちに、入り組んだ洞窟の奥深さに、入り込む。アリスワンダーランドやネバーエンディングストーリー、ハリポタなみのスペクタクルである。
☆しかし、突然生徒募集という社会起業家的な超現実的な話題にも立ち戻る。本当のドラゴン桜(東大出身者の私学人の話がこれまたたいへんおもしろいのだ)の話題に飛んだりする。こんどはインターネットのハイパーテキストを探っていくようなおもしろさ。
☆あっという間に時間が過ぎる。
☆私学人は、未来を拓く人材育成者であり、社会起業家であり、未来世界の制作者であり、何より越境人である。
☆せっかくのインターフェースを壁にしてしまい、その中で小さな差異を気にかけ(いや気に病み)、平等社会を築いてきた日本社会(官僚も企業も家庭も公立学校も・・・)だけれど、その壁の向こうにはそんな配慮をぶっとばす世界の激動がうごめいている。
☆その激動の流行と本当の時代の警鐘という意味での要請を見極めながら、いま、ここで子どもたちと共有すべき知の糧はなんであるか壁にぶつかる卵として格闘しているのが私学人である。寒さと雨の感触が、夜のかなたの洞窟から時代の要請を叫ぶドラゴンの姿を脳裏に映し出したような気がした。
| 固定リンク
「クオリティスクール」カテゴリの記事
- 私学の学力観 偏差値を超えて(2010.07.05)
- フェリスの東大合格者数推移(2010.06.13)
- 男女別学教育の存在意義の今(2010.05.31)
- 八雲学園とケイトの相乗効果(2010.05.22)
- 白梅学園清修中高一貫部の本気(2010.05.20)
最近のコメント