伸びる学校と停滞・衰退する学校のマネジメント
☆学校の先生方の話をお聞きしていると、あっ伸びる学校だなぁとか、停滞しているなぁとか、衰退するなぁとか感じる。独断と偏見だからまったく無視してもらって構わないが、おそらくこの感覚は保護者とほんとうのところではそうズレはないかなとも思う。
☆伸びる学校だと思うセンサーは、簡単だ。どんな方向であれ、「校長―管理職―広報担当者―教師―生徒―保護者―外部関係者」が一丸となっているところである。
☆あれっと思うところは、校長がお飾り(開成や筑駒のような場合はまた違う)だったり、校長が世界標準のビジョンを実現しようとして、それに若手教師が賛同して動こうとしているのに、なぜか管理職の教員が、それを阻む場合である。
☆その阻み方が、水面下で動く場合と公然と罵倒する場合があるが、これは場合によっては見つけ次第退陣してもらえばよいのであるが、意外とこれは外からしか見えないが、校長と二人三脚でやっていることが、若手教師へのオーラになり、そのオーラを逆手にとって、自分の理想を若手教師に浸透させる場合がある。
☆この場合校長は板挟みになる。若手教師は、校長の語りに耳を傾け、中間管理職の言に耳を傾ける。両者は仲良くマネジメントしているように映っているから、同じことを言っているはずだと信じてやまないのであるが、実際は違う。それによって、現場での瞬間瞬間の判断がまちまちになる。組織の崩れる瞬間がいたるところにある。
☆それから、理不尽な校長の独裁である。若手教員はやる気を失う。中間管理職が板挟みになる。この状態はまだ起死回生の一発が期待できるが、中間管理職もあきらめ、校長の独裁をスルーするようになる。やはり衰退するだろう。
☆多くの場合はマネジメントの問題なのであるが、ときどきほとんどの教師がやる気のない学校がある。衰退どころか死滅期へ向かっている学校である。
☆私立中高協会は、たとえそういう学校であろうと、私立学校である限り、なんとか救おうとする機関である。この涙ぐましい努力は、その私立学校を救えないかもしれないが、受験市場の波に飲み込まれない強さを、協会としては身につけることができるのは、良き成果である。
☆さて、広報担当者が結構、私立学校の命運を握っている。このことに気づいていない学校が多いのには少し驚くが、ときどき優れた広報担当の教師の存在に驚かされるところがある。
☆広報担当者が優れた戦略家で改革者である場合、その学校全体がよくなるから、伸びるのは当たり前なのである。もちろん校長のビジョンを正確に伝えられる倫理的コミュニケーション能力を持っていなければならない。
☆すぐれた広報担当の教師は、どんな教育活動を行っているのか説明するとき、WHATに対応する説明列挙型の表現はとらない。
☆WHYに回答できる説明は当然しているが、受験生やその保護者のハートをつかむ表現ができる。ハートをつかむのは、相手がどんな不安・疑問を抱いているか見抜く目を持っていることだ。
☆この目は、実に学内においては、在校生とその保護者に向けられるし、実は校長や同僚にも向けられる。目線が合うとは、理解と信頼を生む事なのである。
☆しかしだ、目線が合うという表現は、まだまだ比喩的で、本当のところその極意は明かされていない。
☆情熱的トークで、デマゴーグのような表現方法は、ナチの人気を高めたぐらいだから、有効ではあるが、市民はそれが間違いであるとやがてわかるから、それだけでは、人気も低迷し、衰退するなと感じる。
☆情熱的で、大胆だが、細心の気配りができる広報担当者こそ、実は最強の広報担当者は校長でもあるのだが、それはさておき、舞台ではみせない、舞台裏の巧まぬ細心の気配り心遣いができる品格ある広報担当者がいる学校は伸びる。
☆そして、広報担当者が、特定の教師ではなく、すべての教師が、自分の役割を通して広報しているという実感がある学校(それが一丸となる1つのヒントであるが)が、伸びているし、必ず伸びる。
①開く力
②横断する力
③創造的にコミュニケーションする力(インターフェースバイザーのコミュニケーション圏の創造)
④世界標準の知を探究する力
⑤共学化する力(共学校にすることではなく、男子校ならなぜ男子校か、女子校ならなぜ女子校か、共学校ならなぜ共学校かを経済的観点以外で説明できるという力)
⑥結びつける力
⑦ステークホルダーをマネジメントする力
⑧私学の系譜を持続可能にする力
☆このような8つの力を、「校長―管理職―広報担当者―教師―生徒―保護者―外部関係者」の人間関係の中に恒常的に浸透させている学校がしなやかでつよく伸びる学校である。
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