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ハーバード大学白熱教室 私立中高一貫校でも実行している

NHKで、ハーバード大学の政治哲学のマイケル・サンデル教授の授業「Justice(正義)」が公開されている。

☆受講者1000人を超えるその授業は、哲学ライブ講座って感じだ。昨日の日曜日その最後の数分を見ただけだが、その授業の展開のおもしろさは予測できた。

☆シェイクスピアの演劇とアニメやドラマを見せて、どちらの喜びをとるのかという問答コミュニケーション。

☆ベンサムやJ.S.ミルの功利主義をインターフェースにして、高級喜びと低級喜びの価値の選択をディスカッションしていく。1000人相手にしても大丈夫なのだが、このソクラテス型問答授業は、私立中高一貫校でも行っている。

☆むしろ、メディアを駆使しながら、問答していく授業のスタイルは、私立中高一貫校ではそれほど驚きではあるまい。やはりパブリックスクールやプレップスクールの伝統を私立中高一貫校も共有しているということか。

☆それにしてもJUSTICEの判断基準、その価値基準は、やはり神々の闘い。とはいえ、重要なことは問答の中で、どのような判断基準を前提にしているか明らかにしながら、それぞれの判断基準の選択はまったく相対的だし価値中立だから、結局正解はない。

☆教育や教養という高価格な文化資本を条件とする高級喜びか、教育はあまりいらない低級喜びのどちらがよいのか。

☆サンデル教授は、ここでは決着はつけられないが、と条件つきで、ミルもそこの決着をつけるには、功利主義の限界を超えざるを得ないのかもしれないとちらりと漏らしつつ、すばやくそこは過ぎ去った。

☆そこにこそ、しかし、理念問題がある。ハーバード大学は私学であり、実はそこは回避することはできない。それにミルの功利主義の最終審級はゴールデンルールだし・・・。それはさておき、東の文化資本と西の文化資本のどちらの喜びを選ぶのだろうか。テレビで公開するだけあって、実際には知的な東西対決の様相が視聴率を高める仕掛けになっている。

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