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21世紀型スキルの私立中高

☆前回インテルのペイジ・ジョンソン氏の考える21世紀型スキルの教育についてご紹介した。さて、この教育を行っている私立中高一貫校といったら、どういう学校があるだろうか。

☆まず、21世紀型スキルとは、こうだった。

①批判的思考力(批評精神を持って考える力)と問題解決能力
②コミュニケーションとコラボレーションの能力
③自立的に学習する力
④ICT(情報通信テクノロジー)を確実に扱うことのできる能力・スキル
⑤グローバルな認識と社会市民としての意識
⑥金融・経済に対する教養
⑦数学、科学、工学、言語や芸術といった分野への理解を深めること
⑧創造性

☆ほとんどの私立中高一貫校は、①②③⑥⑦⑧については実践している。問題は④と⑤だが、ここはまだビジョンで終わっているところが多い。実際にこの2つができる知のインフラを完璧に整備しているバージョンを形成しているところはまだまだ。

☆そこで、こんなふうに考えてみた。20世紀型スキルの教育を教育1.0。21世紀型スキルのうち①②③⑥⑦⑧のビジョンとバージョンを形にしているレベルを教育1.5。21世紀型スキルの④と⑤のビジョンも持っているところを教育2.0。ビジョンもバージョンも形にしているレベルを教育3.0としてみた。

☆公立中高は、今度の新学習指導要領によって、教育1.1ぐらいにはアップする。ほとんどの私立中高一貫校は、教育1.5はクリアするだろう。

☆すると、教育2.0のレベルの私立中高一貫校はどこだろう。すぐに思い浮かぶのは、女子学院、開成、武蔵、海城、順天、淑徳巣鴨、明大明治、目白研心、文華女子、村田学園小石川女子、武蔵野女子学院、佼成学園女子、佼成学園、聖徳学園、桐光、武相、栄光、湘南白百合、聖園、横浜女学院、フェリス、渋幕・・・といったところか。

☆21世紀スキルの教育のビジョンだけではなく、バージョンも実際にあげているところはというと、教育3.0まではいっていない―2.4ぐらいかもしれない―が、すぐに思い浮かぶのは、麻布、東京女子学園、八雲、鴎友学園女子、聖学院、富士見ヶ丘、田園調布学園、戸板、白梅学園清修、立教女学院、慶應SFC、慶應普通部、かえつ有明・・・といったところか。

☆まだまだ存在するはずだから、今後このような視点も持って、私立学校の教育の質を探ってみたい。

☆現在6年生の受験生は10年後社会に出始めるわけだから、そのときは教育3.0のスキルを要求される。偏差値と大学進学実績という選択指標は、20世紀型スキル、つまり教育1.0だから、10年後にはフィルターとしては小さなものであるということが、よりはっきりするはずだ。私立学校の先進性とは、教育1.5以上にあるという点もまずは確認したいところである。

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