目白研心のコミュニケーション
☆目白研心の校長野中先生と入試広報室室長の大山先生にお会いした。昨年共学校になり、名称変更、新校舎完成を果たした目白研心。
☆しかし、大きく変わったのは、理念の現代化である。もともと互いに尊重し合う生き方を育てるという理念があったが、その尊重し合う伝統をコミュニケーションという形にし、そしてそのコミュニケーションをベースに学習意欲を高め、キャリアデザイン教育をシステム化するという不易流行をめざした。
☆その理念の現代化を象徴するフレーズが、「喜学研心」。野中校長が自ら生み出したことばである。かくして、新しい精神は新しい器にという改革が行われたのである。
☆この目白学園時代以来のコミュニケーションをある意味見える化しているのが大山先生。学校説明会や合同説明会に参加すると、15年以上行っている「研究論文」の指導について、丁寧に説明される。
☆この「研究論文」の指導は、たんに大学受験のための論文指導ではない。中1から、自分の人生をかけて探求するテーマを探り、論文の書き方をトレーニングし、最終的に中3で書きあげる骨太の論文編集プログラムだ。
☆つまり、キャリア教育という卒業後の進路まで見据えた知の技術を磨き、自分の才能を見出すプログラム。
☆野中校長先生は、こう語る。
「大事なことは、この指導は教科の枠を超えてなされていることと、その指導の時におこなわれるつかず離れずのコミュニケーションです」と。
☆ここに「喜学研心」の本領が発揮される。
☆知の壁、男女の壁、自己の道の壁などあらゆる壁を突破する支援が中学時代にたっぷり行われる。また、研究論文の評価は、学内だけではなく、外部のコンクール(全国学芸科学コンクール)である他流試合でも行われる。そこで毎年受賞者がでる。そのぐらいレベルの高い論文が作成されるのである。
☆この豊かな教養、自らの視点、広い視野を身につけて、目白研心のきめ細かい進学指導システムで学ぶのだから、いずれ大学進学実績は結果として飛躍するだろう。説明会で見逃してはならないのは、結果がでるまでの教育のプロセスだ。
☆現在の小6の受験生が大学受験をする7年後、大学入試はもっと思考力・表現力重視になっていることは間違いない。
☆つまり、論文編集能力は大きな役割を果たしているはずだ。この編集能力を養う肝は、実はハウツーだけではないのだ。対話や議論といったワイガヤコミュニケーションが潜在的な基礎なのである。その基礎作りのためには、教え込むのではなく、つかず離れずコミュニケーションし続ける環境がポイント。そこから気づきや意欲がわいてくる。
☆生徒の内面から湧き出る学びへの欲求は、たゆまぬ双方向のコミュニケーションからしか生まれない。それがやがて自問自答になり、批判的思考に成長していく。コミュニケーションとは日常的に当たり前だと思われがちだが、それがいかに難しく大事であるか、その奥義を獲得する道は努力がいるものである。3年かけるプログラムを経験できる目白研心の生徒は幸せなのである。
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