聖学院と女子聖学院
☆昨日11日、女子聖学院のホールで、聖学院と女子聖学院の合同学校説明会(塾関係者対象)が開催。
☆男子校と女子校の違いが明快にでていておもしろかった。聖学院の説明のスタイルは、データと図式と写真というメディアミックスが駆使されていたが、女子聖学院は写真とことばが中心。
☆先生方のスピーチのことばの組みたても違った。聖学院は、構成要素は、重みづけされ、伝えたいところを前面に出して組みたてていた。女子聖学院は、時間順序にしたがって並べられていた。
☆ビジョンの取り扱いについては、聖学院は遠くを見つめて、いまここに帰ってくる手法。女子聖学院は、歴史からひもとき、いまここで学園生活を送っている生徒の具体的な話の中に、聞き手が想像してくださいという手法。
☆何よりおもしろかったのは、習熟度に対する話。聖学院は入学時からアドバンストクラスをつくっているし、女子聖学院は中学の間は習熟度や能力別クラス編成は必要ないという。
☆しかし、この違いは、習熟度に対する違いではない。聖学院は未来を見て、違いの尊重こそ平等であり、その平等を大切にする精神こそ自由なのだという21世紀型バージョン。女子聖学院は、子どもたちはみな平等である。コミュニケーションの取り方に違いがあってはならないのだ、条件が同じでなければ自由は生まれないだろうという20世紀型バージョン。
☆いずれも共通の理念からすれば同じことなのだが、バージョンが違うだけ。だから、同じ言葉を使っても、バージョンという文脈の中で、意味が変わるのである。
☆それから、聖学院は、時代のニーズと時代の要請を使い分けているし、女子聖学院では、ニーズには目もくれず、要請にのみ対応しようとしている。
☆聖学院のアドバンストクラスは、大学進学に対しては時代のニーズ、未来のリーダー輩出という点では、時代の要請に応じている。女子聖学院は、大学進学実績は、あくまで教育の結果に過ぎない。
☆聖学院は戦略的革命的志向性、女子聖学院は殉教の精神性という違いがあるのかもしれない。果たして、これは男子校と女子校の一般的な違いなのか、オール聖学院の持っている独自の違いなのかは、にわかには判断はつかない・・・。
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