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立教女学院で育つ自由の精神(了)

☆立教女学院の科学的なものの見方を広げ深めるのは、のびやかで自由な精神が育つところにあるのではないかというのが今回のテーマであったが、それをさらに確信させるのが、教頭山岸悦子先生の論考「中学・高校生にこそ科学読み物を―理科の授業に取り入れる」である。

☆この論考は「理科読をはじめよう」(岩波書店)に掲載されている。

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☆理科読の授業への導入の仕方について、山岸先生はこう書いている。

実際には、限られた授業時間の中で、教科書の内容を膨らませ、実験を行い、科学の読み物を取り入れていくことは大変なことです。わたしは、カリキュラムの流れに沿って、その都度、本を紹介していくようにしていますが、それぞれの単元に関連する本を、最初からシラバスに載せ、いつでも生徒が興味をもったときに、本を手に取れるよう工夫しています。また、夏休みなどの課題として科学読み物をすすめる場合もあります。何冊かくわしく本を紹介し、その中から選ぶというスタイルをとっていますが、よい本は、図書館で借りるだけではなく、可能な限り買って手元に置き、いつでもひもとくことができるようにしてほしいと願っています。そのためには、あまり高価ではなく、確実に面白い本を紹介しなければなりません。

☆何気なく書かれているけれど、この中には、日本の教育政策の失敗を補完して余りある創意工夫がなされていることがわかるし、コスト感覚を生徒に持たせる実践的な目的も結果的に果たされているということも推察できる。さらに「理科読」をすすめる想いについてはこう綴られている。

市場の原理が教育の現場にまで押し寄せるようになってきました。2007年から実施された全国一斉学力テスト(全国学力・学習状況調査)は、結果として学校間の競争を加速させ、全国レベルでの序列化が進みました。それらに伴う成果主義の導入は、教師と生徒の関わり方にも大きな影響を与えています。教育とは、本来、結果はすぐには出ない営為であったはずです。すぐに出せといわれれば、目に見える数値の競争になる。実績を確認することは必要ですが、何で何を測るかは慎重にしなければなりません。

子どもたちの学習意欲を向上させる方法は、競争原理だけではなないはずです。内発的な学習への意欲を育てる、知的好奇心を刺激する、友人や地域の人びととの交わりの中できづくことも多いはずです。中学生・高校生の時代は「自分をつくる」時間であり、学校は、教師と生徒の人格的な交わりの中で1人ひとりの成長のプロセスと共に歩む場であったはずです。・・・・・・・柔軟な思考力、他者に共感する力、そして時空を超えた想像力。めざすべき学力とは、それらを含む総合的な人間力であり、本を読むという行為の中で養われる部分も大きいはずです。

☆このように、山岸先生をはじめ立教女学院の先生方は、豊かな想いと時代の求めるものを洞察する力を、1つひとつの授業の中に織り込んでいくのであろう。卒業生であるユーミンは、このことをこう表現している。

私達は中学・高校と学び、友人や先生方に鍛えられ励まされながら試行錯誤を繰り返し、自然に立教女学院スタイルを身につけていったように思います。

☆立教女学院スタイル。それはのびやかで自由な精神で満ちている。それは授業をはじめとする教育活動1つひとつが「自分をつくる」時熟として創意工夫されているからではあるまいか。

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