広尾学園の土台は科学的思考②
広尾学園の土台は科学的思考①のつづき。
☆広尾学園の広学マインドなるものは、合理的で実用的で計算可能性を重視する近代科学そのものの精神性である。この精神は、欧米的な普遍的精神でもあるから、起業家精神というモチベーションにもつながるから、ポジティブシンキングが前面にでる。
☆そして、この普遍的精神が、欧米的であるということは世界標準でもあるわけだから、理数重視というだけではなく、おのずと英語にも力を入れるという理屈に成る。
☆とにかく、シンプルでわかりやすい志向性が、人気の理由の1つだろう。そしてその象徴的な授業が、理科の実験室であるサイエンスラボで行われる授業ではないだろうか。新校舎が完成すればラボの数は3教室となるが、現状では1つで、フル稼働である。それほどこのラボ空間の活用は重要なのだそうだ。
☆ラボには双眼実体顕微鏡が、生徒全員分備えられている。白衣を身につけ、顕微鏡をのぞいている姿は、ちょっとした科学者の卵さながらであるが、生徒のモチベーションはものすごく盛り上がるという。
☆微生物の動きが顕微鏡を通して、そのままわかるのがこの顕微鏡の特徴であるが、海外研修以上に脱日常の世界が、こんな身近にあるというのを理屈抜きで体験できる。
☆生徒は家庭に帰ると、「授業が楽しい、先生が楽しい」と語るという。そういわれると、保護者は、自分の過去の経験に照らし合わせて、授業が楽しいとか先生が楽しいとはどういうことか知りたくなるから、参観などの出席率は高くなるという。そして「なるほど魅了する授業とはこういうことか」と納得するらしい。
☆授業が楽しくなるには、教師のトーク、学習ツール、学びのテーマのいずれもが巧まれていなければならない。そのすべてが用意周到にデザインされているのが、広尾学園の授業である。このデザインに広学マインドである科学的思考が注がれ、それを生徒達が享受するわけである。
☆未来を拓くのは、やはり科学の力である。この力を生徒に実感させるには、教師の高い科学コミュニケーション能力がポイントになる。この科学コミュニケーションの重要性については、東大でも最近やっと気づき、動き始めている。科学の力がなければ、先見性は生まれない。実体顕微鏡の向こうにあるミクロの世界を実感できて、初めて自然の仕組みであるエコロジーの重要性、それを形にする方法論を考えようとする先見性が内側から生まれてくる。
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