かえつ有明の新しい教育熟す③
かえつ有明の新しい教育熟す②のつづき。
☆教頭石川先生は、かえつ有明の学びのシステムについてプレゼンされた。そのシステムの有効性の1つの証明は、すでに芦澤先生が話された、中学3年間でタフな精神力を身につけることができたということであり、もう1つは石川先生が話された大学合格実績の飛躍的な向上である。
☆とはいえ、かえつ有明に移転して2年目の卒業生は、まだ高校から入学した生徒の実績であるから、中1から入ってきた中高一貫の生徒が卒業する2012年には、さらなる飛躍が期待できるという。
☆その飛躍の秘密は、
1)各学年の成績ポートフォリオや学習状態の調査など、形成的評価と同じような視点で、生徒の変化を見逃さないシステムがあること。
2)0限目のフォローアップ、学習カウンセリング、帰国生支援などのサポート体制が確立していること。このシステムでは、チューターシステムも稼働している。
3)サイエンス科というかえつ有明独自の思考力・表現力を育成するプログラムがかなりの水準までシステム化されたこと。
☆ということのようだ。特にサイエンス科で鍛えられる思考力や表現力は、すべての教科に必要な基礎である。いわば、思考力・表現力ベースの教科学習の確立に寄与しているということのようだ。
☆だから、今年から新たな試験「作文試験」が加わる。よく入試問題は学校の顔であると言われるが、サイエンス科、つまり思考力・表現力の学びもいよいよ学校の顔になったという事を示唆しているのだろう。
☆当日、「作文入試」の試行問題が配布されたが、たんなる作文というより、イメージとしては、PISA型とか公立中高一貫校の適性検査の問題に似ている。しかし似て非なる問題であることは、解いていくうちにわかる。
☆生徒1人ひとりの思考や表現の傾向が測れる試験である。これがサイエンス科の顔だとすれば、サイエンス科の授業とは、このようにきめ細かく1人ひとりの思考や表現の構成力の傾向を見ながら、アドバイスやフォローがなされているのだということが腑に落ちる。
☆森上教育研究所の発行している月刊誌で、「より質の高い問題を出題し、教育の質の高さをきちっと表現できている学校を消費者が選択するようになれば、私立学校全体が、質向上の競争を行い、そこに再び私立中学受験に消費者がなだれこむ好機が訪れるだろう」という趣旨が掲載されていることを本ブログで紹介したが、まさしくその先頭にも立ってフンバッテいる私学にかえつ有明は進化しているのである。
| 固定リンク
「Good School」カテゴリの記事
- かえつ有明 日常の学園生活こそ教育の質(2012.10.01)
- 海城学園 どこへシフトするのか?(2012.09.27)
- かえつ有明 新しいノーブレス・オブリージュへ(2012.09.26)
- 土浦日本大学中等教育学校 世界に開かれた学校(2012.09.26)
- 八雲学園 さらなる挑戦(2012.09.25)
最近のコメント