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講談社セオリーの目

セオリープロジェクト部長木所隆介氏や作家の鈴木隆祐氏、写真家の明石雄介氏とお会いした。セオリーは、最高のサービス、最高の都市デザイン、最高の人材、最高の建築、最高の教育、最高の食・・・。要するにあらゆる局面での最高の仕掛けを、最高の編集者、最高の書き手、最高の写真家などが集まってデザインするムック。

☆いろいろな話に花が咲いたが、いずれにしても私はアウトサイダーで、雑誌が売れるか売れないかは気にも留めず、ただ楽しんで話を聞いていた。

☆要するにそれほど、本質と社会のニーズの調和ギリギリの話だったのだろう。真面目で非マジメな編集の考え方である。教育といえば、お金の話と大学進学実績の話と偏差値の話に終始する風潮に新鮮な風を送ってほしいと期待している。

☆それにしても、≪私学の系譜≫は深いなぁ。話を聞いていて、どうも近江八幡に行きついたのだが、なにゆえヴォーリズなのか。

☆昨年近江八幡を訪れ、八幡山に登って安土城跡を眺めたが、なるほどヴォーリズのポジションがその≪間≫にあった。そこを神の国の拠点にしようとヴォーリズは印を刻んでいるほどだ。

☆中山道で、東京までつながっている。いやいや江戸というべきか。この近江八幡の近くには伊賀が位置している。直感的に何か関係があるに違いないと。織田信長と豊臣秀吉、その前に足利義満。

☆世阿弥の母の生家は遠いが、距離の問題ではない、その家の系図に鹿島守之助がいることが重要だ。それに世阿弥の祖母は楠木正成の姉だ。楠木正成もまた忍者に支えられていたという・・・。

☆世阿弥は晩年、佐渡島に流され、そこで新たな境地も開いている。日本海側と太平洋側を行ききしている。伊賀といえば松尾芭蕉である。

☆隠秘、幽玄、風雅。そして商人の機知。これが伊賀から近江、安土、もちろん京都、奈良に今もある気だ。しかもこれらの知識を語っているのは、講談社セオリーも大好きな白洲次郎の妻白洲正子である。

☆この伊賀―近江の情報データベースは、あるとき軽井沢に集積する。そしてそこに戦後教育基本法制定の精神の要である内村鑑三と新渡戸稲造が存在する。ヴォーリズもいる。

☆隠秘、幽玄、風雅、機知・・・。今はもう大衆社会では必要がないものである。しかし、セオリーではそれを大衆社会につなげようとしている逸品群。≪私学の系譜≫が果たしてそこにつながっているかどうかはわからないが、ちょっとした歴史的深層の洞窟に迷い込んだような会話だった。半分以上は、話を聞きながら勝手に想像していただけだが・・・。

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