2012年の変化にいかに対応するか④
2012年の変化にいかに対応するか③のつづき。
☆ウォール・ストリート・ジャーナル(2010年7月2日)によると、
日本では「ジェンダー」という新たな格差が生まれている。優位にあるのは女性だ。今年5月までの失業率は男性が女性を平均で0.9ポイント上回っていた。この格差は3月に1.3ポイントという記録的水準に達し、5月にようやく0.8ポイントまで後退した。1990年代は、おおむね女性よりも男性の失業率の方が低かった。だが徐々に女性が追い上げ始め、2007、08年に両者の差は平均0.2ポイントにまで狭まった。それでも月間の格差が0.4ポイント以上に広がることはなかった。ところが09年4月以降はほぼ毎月、男性の失業率が女性を0.5ポイント以上上回るようになった。
理由はご察しのとおり、産業構造の転換ということらしい。製造業からサービス業へのシフト。サービス業はフラットなコミュニケーションが重要になるし、英語も必要になってきている。そのため女性に優位な仕事が着々と増えているということのようだ。
☆ただ、クリエイティブ・クラスの時代と欧米では言われているのに、日本はまだサービス業という枠内でとらえられているのか・・・。と思っていると、佐藤可士和さんが「クリエイティブ・シンキング」という本を出版していた。
☆この領域に来ると、かつての製造業のコミュニケーションはなかなか重たい。またサービス業のコミュニケーションはなかなか軽い。つまり従来型の男性コミュニケーションや今日型女性コミュニケーションの次の段階のコミュニケーションが必要なのだということだろう。
☆佐藤可士和さんの「クリエイティブ・シンキング」は、自分のキャリアという体験の中からでてきたものであるとすると、やはりこれもまた2012年対応型の思考スタイルだろう。なにせイギリスの街並みを席巻しているユニクロのロゴは佐藤可士和さんがクリエートしたものなのだから。
☆アメリカのテレビ番組に「アグリ・ベティ」というファッション業界が背景の作品がある。まだまだ20世紀型のコミュニケーションの名残もあるけれど、クリエイティブクラスもまたちゃんと投影されている。
☆ただ、メディアはなんといっても生理的欲求なしの自己実現欲求は扱わないので、多様な欲求は描かれているが多次元の欲求は描かれない。そのため、2012年対応を考える上で最適ではないが、デザイン思考、クリエイティブ思考の流れは確かにつかんでいると思う。
☆この流れを的確につかんでいる女子校はかなり存在する。しかし肝心の男子校はまだまだ少ない。また共学校は、意外にも少ない。ただし、つかんでいる共学校もある。そのような共学校が、シングルスクールにとっては強敵となる。
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