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郷土を変える力~ベネッセのネットワーク

☆先週はベネッセのスタッフの活力に連日驚かされた。世界を変える力を教育に結びつけるK氏、郷土を変える力を教育に結びつけるK女史。その両者と協働しながら、新しい実用的プログラムの企画にチャレンジしているもう一人のK氏。

☆メールや携帯、そしてイベントで出会って、3人のK氏と対話して思うのは、常に新しいものを探しながら、しかし共通した深い理念を持っているということだ。教育産業の中にも、こういう優れた人材がいるのだ。教育の中に浸透しているポストモダンの風潮を払拭するアイデアを実現しようとしている若い人材。未来への希望の光である。

☆そんなことを感じながら、先週金曜日(2010年7月16日)、初台のベネッセの会議室で行われた浦崎太郎氏の講演をお聞きした。

☆熱い講演(抽象的な講義ではなく、実践の成果とそのノウハウのポートフォリオのプレゼン)を2時間ぐらい拝聴し、そのあと闊達な参加者による質問。すごい対話のチャンスをK女史はアレンジしたわけだ。

浦崎氏のプロフィールなどは、ネットで公開されているので、そちらの方をご覧いただきたい。とにかく公の立場で、いろいろな社会貢献の活動をしている方である。まさに市民のための国民のための、そして何より子どもたちのための奉仕者である。

☆日本という社会で、公の立場で、何か新しいことをやろうとすると、膨大な文書主義と規制の壁と、なんといっても官尊民卑的な風潮を、1つひとつクリアしていかねばならない。

☆郷土を変える力が日本を変える力であり、それこそ教育を変える力になるという信念を形にしていくには、学びのプログラムデザイン、組織活性化デザイン、人材育成プログラムのデザイン、ステークホルダー巻き込みのデザインを併行進化させねばならない。

☆言うは易いが、実行するとなると、あまりにもすごいパワーが必要だ。このパワーを郷土を変える力から世界を変える力にシフトしようというのが3人のK氏のメタ・デザインのねらいだろう。

☆さて、そのメタ・デザインとは具体的にはどういうイメージなのだろうか。浦崎氏がそのヒントを語っていた。結局大人の意識を変えなければどうしようもないと。

☆今さら大学進学実績を上げようとする進学高校に何を期待できようかと。そこで行われることは、結局自己にしか興味がなく、社会に貢献することには興味がない人材を輩出する構造になっている。

☆まさにポストモダンではないか。このポストモダンの構造は、しかし浦崎氏は、初等中等教育、あるいは幼稚園段階で、大人が、子どもに人の話をよく聞く集中力を身につけさせる教育プログラムをデザインしていないことによると。この人づくりのデザインが欠落しているからだと。

☆なるほど、K氏のいうデビッド・ボームかぁ。たしかにこの学びの会のスタイル自体、参加型対話である。デビッド・ボームが大事にした量子力学的な対話。

☆浦崎氏の言う根っこづくりとは、3人のK氏にとってはデビッド・ボームにつながるのだろう。ここに郷土を変える力と世界を変える力を結びつけるヒント。さりげなくシンプルだけれど壮大なプラン。

☆それにしても<K>とは、文学の世界では、時代を変えるキーワードだ。果たして偶然なのだろうか。

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