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2010年東京都私立学校展開催

昨日21日から本日22日まで、国際フォーラムで東京都私立学校展が開催されている。毎年のように多くの生徒と保護者が訪れものすごい熱気なので、475校もの進学相談の対話の様子をジロジロ覗くわけにもいかない。

☆だから、サーッと(実際にはスムーズには歩けない)眺めただけの印象だが、今年も創意工夫された進学相談ブースになっていた。

☆八雲学園、淑徳巣鴨をはじめ、いくつかの学校ではiPadを活用していた。八雲の先生に聞くと、「英語教育など写真だけでは表現しきれない音声の部分があるので、iPadは有効です」と。

☆八雲学園の英語教育は、大学受験型の英語教育ではなく、米国の姉妹校であるケイトスクールで、通用する英語教育。もちろん日常の会話ができればよいのではなく、アカデミックなシーンで英語を使ってディスカッションができるようになるのが目標。

☆グローバル人材が育つ環境には、どうしてもディスカッションの環境が必要になる。その様子は写真だけでは伝わらないということだろう。

☆生徒との対話で忙しい合間合間に、何人かの先生と話すこともできた。佼成学園女子の江川教頭先生は、「世界や社会の変化と学校の授業がどう結びつくのか、そんなことを現場の教師が考えようとする志向性がでてきました。これは今後のカリキュラムのクオリティを向上できるエネルギーになります」と。生徒にとって最もよい教育環境づくりの準備ができたということ。

☆八雲学園の菅原先生は、新設の図書館の完成予想図を見せてくれた。「探求活動をさらに広め深められます」と。今年9月、新校舎顔負けのリニューアル校舎が完成し、図書館も新設されるわけだ。ケイトスクール以上のレベル向上への野心を感じ取ることができた。

☆共立女子の渡辺校長は、「共立女子の様々な教育改革が、学校内のガラパゴスな動きではなく、世界の変化の中で、とるべき指針を選択決定して行っているということが重要であるという気づきを、いかに受験生と共有できるかが今後のカギです」と。

☆たしかに、実際に共立女子の在校生やフェリスの在校生と話したことがあるが、その対話の過程で、それぞれの学校のルーツとその使命が、今世界が求めていることと一致しているのではないかということに気づいた瞬間、彼女たちは感動し、自分が今後どう生きていかねばならないか改めて考えてみたいということになった。

☆芝の助川校長は、「教育のさらなる質の向上が、結果的に実績に結びつくという証明をするときを迎えています」と。時間もないので、さらりと語られたが、浄土宗という自然と精神と社会が有機的に結び付く壮大な世界観の教育が浸透するならば、受験という現象的な部分に役に立たないはずがないという確信が背景にあるのである。

☆ある広告代理店の社長は、「受験市場的な側面からだけの発信では、社会に貢献する有益な教育を実践しているこれだけのコミュニティの存在を広められない。もっと新しい市場創出をしなければ」と。その通りだと思う。

☆聖学院の校務部長の平方先生は、「ユネスコやインテルなどの方向は21世紀スキルと教育をいかに結び付けるか。そのベクトルは、しかし多くの私立学校にとっては開設当初から当然の想い。その実現にむけて教育を行っている。89年以降、政治や経済のみならず、教育もパラダイムが変わっているが、日本ではまだその認識が広まっていない。私立学校は先見性をもっているが、同時に責任も重大です」と。

☆この2日は、国際フォーラムは、子どもたちの人生の選択を考える場であると同時に、世界のビジョンを考える場として密度の高い空間になっているようだ。

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