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2012年どうなる グーグルそして英語化

☆2012年疾風怒濤にむけて、いろいろな兆しがあるのではないか。最近は、そんなことを思って、世の中の情報を少しウォッチングしているわけだが、日経ビジネスonLine(2010.8.6)にこんな記事が載っていた。

「グーグル、そして英語化される世界を考える」

著者:小田嶋隆

☆誰もそれほど驚かなくなった、WebやIT業界のダイナミックな変化。小田嶋氏は、日本ヤフーと米グーグルとの提携について、ジョークも交えながらこう書いている。

ヤフーが検索エンジンを諦めて、マイクロソフトの業界支配力がOSの後退とともに漸減して行くのだとすると、グーグルを止められる存在はどこにもいない。無敵だ。と、グーグルが情報世界の覇権を握った時代の先に、何が待っているのかは、もう誰にも想像がつかないはずだ。人類にとって、こんな事態は未経験だからだ。ローマの支配は全世界の半分にも及ばなかった。20世紀後半のパクス・アメリカーナでさえ、これほど一方的ではなかった。比べられるとしたらV9時代の読売巨人軍とその周辺に散在していた御用マスコミの関係ぐらいだ。いやな時代だった。

☆グーグル帝国とはよく言われるが、本当にどうなるのだろうか?

☆また楽天やユニクロの社内公用語の英語化の動きに典型的にみられる日本社会の英語化の行方についても健全にやはりジョークまじりで批判している。

・国際結婚はなんだかとてもむずかしいぞ。
・国際理解というのは非常にやっかいな道筋であることだ。
・同僚とツルんでいるサラリーマンは、浮気をしている夫よりもある意味で始末に負えないのかもしれない。
・英語が第二公用語となっている旧植民地国家では、英語の発音のきれいさで、その人間の出身階級から教養から資産年収将来性までもが一目瞭然でわかってしまう。
・英語で話している限り、英語国民にはアタマがあがらない。
・英語のオダジマは精神年齢が12歳になる。
・ジャパニーズハビットは、どんなに精密に英訳しても理解されない。
・文化は訳出不能な部分に宿っている。
・そういう意味でオダジマの仕事は翻訳しても売れないだろうな。
・ロナ(著者の友人の奥方)の国では、地元の母国語を使っている限り、古い時代の話しかできないのだそうだ。
・というのも、ロナの母国では、新しく、エレガントで、ビジネスに役立つ用語はすべて英語で提供されるからだ。
・グーグル支配の背後には英語支配が控えている。うちの国もロナの国みたいになるのかもしれない。
・おそらく、グーグル化が進んだ世の中では、英語のジョークで笑う人々が重用されるようになる。
・日本語は、和式便所や和文タイプが歩んだ道を進むことになるんだろうか?

 うむ。要約になっていない。かえって話が拡散している。
 でも、これで良いのだ。

 グーグルは、すべてを要約しにかかるタイプの支配者ではない。
 世界は、これから先、グーグルを通じて、ますます、まとまりのないコラムみたいな調子の、拡散したゴミの山になって行く。その乱雑な情報から、グーグルはコンマ何パーセントかの利益をかすめ取る技術を、着々と整備して行くのであろう。われわれにはどうすることもできない。

☆2012年疾風怒濤の光と影。影の部分にも耳を傾けることも、もちろん重要である。がしかし、この拡散したゴミの山をファインアートで教養に転換してしまう対話に新しい窓を開く可能性もあるというところが歴史のおもしろいところだ、アイロニカルなところでもあるかもしれないが。。。

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