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未来を創る教育のヒントは村上式仕事術

☆グーグルの日本法人名誉会長村上憲郎氏の「村上式シンプル仕事術」(ダイヤモンド社)は、1500円で、どんな人材育成研修よりも価値ある満足感を得ることができる書だ。

☆21世紀型スキル教育とかグローバル高度人材育成プログラムとか、熟議民主主義とか、巷ではいろいろ騒がれている。しかし、そのエッセンスは本書1冊に凝縮されている。ぜひ読書会をやりたいものである。帰国生は受験直前だから、できないなぁ。終わってからにしようか。

☆ノウハウではなく原理原則をというのは言うは易いが行うは・・・。ともあれ、村上式シンプル仕事術の7つの原理は、

①会社の仕組みを知る

②財務・簿記の基本知識を身につける

③疑問はその日に解決する

④仕事の目的は顧客満足にある

⑤仕事のプライオリティをつける

⑥アイデアは頭で考えない

⑦デール・カーネギーに学ぶ

☆当たり前のような原理原則だが、実に深い。仕事の目的は顧客満足とは誰もが言うが、村上氏ののように、トラブルがあったとき、クレームをぶつけられたとき、とことんこちらにコミュニケーションの落ち度がなかったかをチェックする態度は、なかなかできない。シンプルではあるが、難しい。なぜこんなことができるのか。

☆キリスト教を学び、仏教を学び、西洋哲学を学び、アメリカ史を学びなさいという。量子力学を学び、ハイエクを学び、マンキューを学び、経済学を学びなさいと村上氏。そのうえで、量子力学が存在そのものの理論であることに気づきなさいと。

☆その理念と教養というデフォルトの上に、顧客満足の徹底という原理原則があるのである。

☆しかし、このように読んでみると、私立中高一貫校の教育そのものであることがわかる。麻布学園などはそのプロットタイプではないだろうか。ある意味灘中などもそうである。

☆会社のしくみを知らないと、会社というのは儲け本位でけしからんということになるのだが、健全に儲けている会社は、それだけで社会貢献しているのだ。莫大な法人税の支払いは公共空間形成にどれだけ貢献しているか。それなのになぜ今さらCSRなのだろうなどと気づくことがあってもよいかもしれない。

☆財務簿記の基礎知識は、人間は自らの行動を振り返る時、測る化しなければ振り返れない。その基本的な思考システム。

☆疑問はその日に解決するとは、そんなことができる余裕が労働者にあるのだろうか。あるようにするには労働概念を変えよということである。パラダイム転換というトマス・クーン的な発想である。

☆仕事のプライオリティを考えるとは、ポートフォリオやプロセスフォリオを常に整理しておくということ。適性手続きは民主主義の基本概念。

☆アイデアは頭で考えないとは、どんどん文章化しなさいということである。キーワード思考ではだめだと・・・。おおこれはマインドマップとはまた違う手法である。どこまで言語化できるか。

☆この手法、実は科学的思考である。科学はロゴスによって論証されてはじめて科学である。量子力学=科学=ロゴスとくれば、なるほど量子力学は人間の存在の根拠である。「量子力学とはイデアを追究する学問である」と村上氏。

☆そしてカーネギーに学ぶことは、このロゴスの現実態であるコミュニケーションの手法。

☆ともあれ、一読をオススメしたい。

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