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就活力から起業力へ 雇用創出から市場創出へ

☆時事通信(2010年8月27日19時35分配信)によると、

厚生労働省所管の独立行政法人、労働政策研究・研修機構(労政研)は27日、今春の大学卒業生の進路調査結果を発表した。景気低迷による雇用情勢の急激な悪化を受け、約1割が卒業までに就職先が見つからず、その後も職探しを続けているとみられることが明らかになった。

☆21世紀を生きる力とかサバイバルする力とは、大学入試の教科が出来るようになることではない。それらは20世紀の市場創出に見合った学びだったにすぎない。

☆ところがその20世紀市場創出は、21世紀では既存の市場であり、縮小しつつある。新たに市場創出するしかあるまい。

☆そのときに必要なサバイバル力とは、新しい教養コミュニケーションベースの知であり技術であり、倫理である。

☆新規市場創出の起業力こそ養わねばならない。まずは科学史。パラダイム転換史とでもいおうか。すると科学と数学と哲学とアートが必須。語学は英語だけではだめだということになる。

☆相対性理論と量子力学の葛藤を理解することが近代の矛盾を解くことであるというテーマを考えるのが授業の中心。

☆これで、経済の原理もわかるだろう。なぜ民主主義がクラッシュするかもわかるだろう。なぜ死刑は廃止しなければならないかもわかるだろう。人間が人間でなくなるリスクをどうするかが、エコの問題の本当のもんだいだということもわかるだろう。

☆もちろん、相対性理論や量子力学を、20世紀型の理科のようなスタイルで授業を行っては何も変わらない。人間関係、社会構造、グローバリゼーション、脳神経、遺伝子、ナノテクノロジーを考える時の原理として活用できる授業でなければならない。

☆東大を頂点とするピラミッドの大学入試問題の解法が、初等中等教育のカリキュラムになっているなんてゾッとするとしか言いようがない。そんな勉強や学びを、日本以外のどこの国で行っているというのだろう。

☆もはや日本はこれではもたないだろう。市場創出する起業家を育てることがキャリアデザインであるという切り返しをしないと。

☆ITと英語は、労働者がついに自己所有できる生産道具となったのである。職業選択の自由、労働の自由、移動の自由。でも資本と生産手段が自己所有でなければ結局は限定的自由しか手に入らない。別の言い方をすれば奴隷状態の尻尾が残っているということだろう。マックス・ウェーバーは、このことを見抜いていた。生産手段が自己所有にならぬ限り、労働の最終的自由は到来しないと。

☆20世紀型市場とは、このことが達成されていなかった。しかし21世紀は、ITと英語は、なんとか手に入れられる。

☆東アジア諸国が英語を学ぶのは、コミュニケーションのためではあるが、本当のところは生産手段を獲得しようとしているのだ。

☆英語を学ばないことは、自らを奴隷状態に置くということを意味するのかもしれない。もちろんITやWebも。

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