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私立中高一貫教育と大学受験勉強とのズレ

☆前回、私立中高一貫校の大学進学準備教育によって培われる学力(Q)と大学入試問題が求める学力(E)のモノサシが違うということについて、ウダウダ語った。

☆ここで、もう一度別の言い方をすると、大学入試問題は、能力主義あるいはメリトクラシーを当然のものとする政治経済社会を支えるための学力を求めているが、私立中高一貫校のそのほとんどの建学の精神が、能力によって富を得ることを目的とする人材ではなく、社会に貢献することを目的とすることが自らの自由を守ることだという信念を持った人材を育成することを理念としている。

☆つまり、社会デザインの理念が違うのである。大学入試問題が旧態依然としていると感じるのは、21世紀型社会が、能力競争によって富を得ることを目的とするような社会モデルに耐えられなくなっている兆しがあるからだろう。

☆前世紀は、そのような公立学校の教育の危うさに、疑問を投げかけ、チェックする役割として私立中高一貫校の教育は存在意義を持続してきたが、戦後教育基本法制定の直後の時のように、文化や正義をベースにした社会デザインが本格的に求められるようになってきた今、その存在意義はカウンターではなく、積極的に新しい社会デザインやビジョンを形成する役割を果たす時がやってきたのである。

☆QとEのズレは、そのような私立中高一貫校の役割のシフトを意味しているのかもしれない。社会のための教育作りから、教育による社会づくりへと、小さなところから、大きな変化が生まれているのである。

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