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全国学力テストの誤用

☆毎日新聞(2010年8月28日12時49分配信)によると、

今年度の「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)で(福島)県内の成績が全国平均を下回ったことを受け、県教委は27日、緊急の「学力向上対策会議」を開いた。県内7教育事務所の担当者ら約20人が出席し、県教委作成の確認問題「定着確認シート」の活用徹底を促し、県教委職員が各校で指導方法のアドバイスをすることなどを申し合わせた。
 

☆これでは、学力向上とは全国学力テストで成績をあげるということではないのか。

☆会議で藤田充教育次長は「中3の成績を3年前の小6時と比べると悪化しており、危機感を持って受け止めないといけない。授業の質の改善が必要」と述べたというが、授業の改善と確認問題「定着確認シート」を活用することとは違うはず。

☆授業そのものが、考えることの楽しさ、論理と直観を養えるプログラムになっていて、それゆえに知識を自ら体系化、必然的に覚えていくというスタイルにならねばならないだろう。

☆確認シートの活用を県教委が促したところで、勉強しろと言われて、子どもたちが好奇心に満ちた目で学ばないという情況におちいるのとまったく同じ結末になるのは想像に難くない。

☆授業のプログラム開発に税金を注いだ方がよい。ドラゴン桜の言い分はここではあたっているのだ。魚を与えるのではない。釣り方を学ぶ環境が大事なのだ。つまり、シートを与えるのではなく、シートをプログラムの一環としてつくる方法を学べる教師の探究環境を創ることが大事である。

☆文科省と教育委員会は、そこを諦めている。解答を相変わらず教え込む方法しか示さない。とても知識基盤社会を見据えているとは思えない。

☆まさかこの知識基盤社会の知識を定型的な知識だなんて誤解していないだろうなぁ。この情報ネット社会にあって・・・。

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