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実感 英語力と人間力が本当に必要な時代

☆「ユーシンの「社長公募」 1722人」の次のコメントを読んで、本当にそうだなぁと実感。

話題の社長公募だが、「30~40代」「英語が堪能な人」という条件だけなら、もっと多くの人が応募したのではないだろうか。日本風土のコミュニケーションと海外でのタフな交渉力を兼ね備え、なおかつリーダーシップで社員をひっぱっていく。そんなカリスマ性を自負する未来の社長がどんな過程を経て選ばれていくのか。
野村HDの「初任給の54万円の社員」のケースもそうだが、草食系ではないタフでアグレッシブな人材が求められているのかもしれない。

☆というのも英語力や人間力で壁を扉に変換して人生を歩んでいる人材がなぜか周りにいるからだ。筆者自身はそのどちらもないので、完全にオブザーバーなのではあるが、彼らの人生とかかわりがないわけでもない。

☆英語力で実感しているのは、まったく英語ができなくて、自分は永遠に英語はできるようにならないのではないか、英語だけではなくすべてに関し力がないのではないかと中高時代ずっとトラウマを抱いていた学生の変貌を目の当たりにしているからだ。

☆その学生は、あるとき自分の潜在的な才能に気づき、しかし、その才能は日本で発揮しても、そもそも市場がないから、生きていくこともできなさそうだし、狭い範囲でしか理解し会えないと長年不安を抱き、悩み、でもなぜか自分のやりたいことを通すことをあきらめきれないという人間。

☆海外に思い切って留学して、最初の3ヶ月は、不安というか絶望的というか、パニックというか、知人にほぼ毎日のように、スカイプでカウンセリングしてもらいながら、がんばっていた。しかし、3か月が過ぎたあたりから、あの悩みはどこにいってしまったのかというぐらいの勢いになり、英語ができないと思っていたかつての姿はそこにはなかった。

☆日本の英語教育はいったいなんだったのであろう。。。

☆人間力という点では、悲しいことに、今年若くして亡くなった野村の有望な人材を知っているからである。彼は社葬という形で、多くの人々の涙に見送られたほどで、まさに「草食系ではないタフでアグレッシブな人材」そのものであった。

☆そういえば、お通夜には、千葉県のとある私立中高一貫校の理事長校長であるT先生も参列されていた。。。

☆彼は中高時代から文武両道で、部活でも主将だった。葬儀の供花も、高校時代、大学時代の部の仲間からのものがあった。

☆たんなる体育会系ということではない。人と人の絆をほんとうに大事にする人材だった。その大事にする方法は、私には計り知れない奥深さだった。自らの病よりも、仲間や知り合いのケアに奔走していた。破格な数の人間との絆を大事にできたその方法は、並の人間には了解不能だ。

☆1つだけ確信をもって言えるのは、彼は中高時代のころからそういう人間だったのだ。大学や野村に入社してからはじめて人間力を学んだのではないということなのだ。

☆英語力と人間力は、今まさに必要な時代である。しかし、それは大学に入ってからなんとかなるものではない。先の英語力の例は、中高卒業後の話ではないかと言われるかもしれない。たしかにそうだ。しかし、その学生は、読書とエッセイとプレゼンに関しては意欲を燃やしていた。英語力とは最終的には思考力であるのかもしれない。

☆人間力のケースでも、彼は中高時代・大学を通して優秀だったし、いわゆるブランド校出身である。だからということではないが、思考力は相当なものであった。

☆だから、思考力つきの英語力と思考力つきの人間力は、中高時代から養われていなければならないということだろう。

☆現象的には、たしかに英語力のスコアとタフでアグレッシブな人間力が今必要とされているのであるが、ファンダメンタルには、その教育は中高時代にカギがあるということなのである。つまり、喫緊の課題をクリアするには、目先の政策ではなく、中高時代からの教育を改革するという中長期に立たざるを得ないということなのであるが、日本社会はどこまでフンバレルであろうか。どこまで根っこを大事にできるであろうか。

☆いずれにしても中高の学校選択は、1人ひとりの私事の自己決定にゆだねられている。社会を一変することはできないが、中高の選択を大学受験のためにではなく、日本社会や世界の未来のために決意するのだという見識を持つことで変えられるかもしれない。

☆小さな一滴が大河を生み出すのは自然の摂理でもある。そのためにも、選ばれる学校は良質の教育を常にイノベートしていなければならない重要な使命があると思う。

☆とにもかくにも、中高は極めて重要な時代であると改めて確信した。

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